日本大百科全書(ニッポニカ) 「メンヒル」の意味・わかりやすい解説
メンヒル
めんひる
menhir
巨石記念物のうち、加工をほとんど加えない石を単独に立てたものの呼称。ウェールズ語でマインmaen(石)とヒルhir(長い)を意味し、立石(りっせき)と訳されている。フランス、ブルターニュ地方のロクマリアケルLocmariaquerにあるメンヒルは、倒壊して折れているが、本来長さが20メートル以上もあった巨大なものである。立石が並んだものはアリニュマン(列石)とよばれ、フランス、カルナックのものが著名である。巨石記念物で年代を確定できるものは少ないが、新石器時代から初期金属器時代に多くが建造されたと考えられている。墓の真上に置かれた墓標と解釈できるものもあるが、記念碑的性格のものが多いといわれている。
[寺島孝一]