日本大百科全書(ニッポニカ) 「カレドニア運河」の意味・わかりやすい解説
カレドニア運河
かれどにあうんが
Caledonian Canal
イギリス、スコットランド北部の運河。北海に連なるマリー湾よりカレドニア地溝帯に列状に並ぶネス、オイク、ロッキ、エリーの各湖を結んで、大西洋に通じるレニー湾に至る。全長97.3キロメートル(うち運河開削部35.4キロメートル、湖水利用部61.9キロメートル)、深さ5.2メートル、閘門(こうもん)27がある。ナポレオン戦争中の1803年、フランスの私掠船(しりゃくせん)による通商破壊の被害を避ける目的で、最初から国営事業として着工された。1822年に開通したが、漁船などの小型船が通航可能であったにすぎず、十分な効果をあげなかったので、1842~1847年に改修され、500トンまでの船が通れるようになった。1963年よりイギリス水路協会British waterwaysが管理し、輸送用水路に指定されている。
[青木栄一・青木 亮]