日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネス湖」の意味・わかりやすい解説
ネス湖
ねすこ
Loch Ness
イギリス、スコットランド北部の湖。スコットランドの大断層線谷であるカレドニア地峡北東部に沿って、インバネス南西のロックエンドからフォート・オーガスタスに至る細長い湖で、北東―南西方向に約40キロメートルの長さを有する。断層線に沿って氷食が働いて形成されたもので、湖面高度16メートル、深さは最深部で235メートルにも達する。湖水はネス川によりインバネスの市街を通ってマリー湾へ排水される。カレドニア運河が、マリー湾―ネス湖―ロッヒー湖―リンネ峡湾を結び、北海と大西洋をつなぐ航路となっている。
首の長い怪獣ネッシーが住むというが、氷河時代に完全に氷床の下になり激しい氷食を受けた湖底に、古い時代の残存動物がいるとは信じがたい。怪獣論議に加え、山あいに静かに横たわる湖は、スコットランド観光の一中心地となっている。
[小池一之]