改訂新版 世界大百科事典 「カンゾウタケ」の意味・わかりやすい解説
カンゾウタケ (肝臓茸)
beefsteak fungus
liver fungus
Fistulina hepatica(Schaeff.)Fr.
担子菌類カンゾウタケ科のキノコ。シイ,カシなどの生立木を侵し,心材を褐色に腐らす木材腐朽菌である。ヨーロッパ,北アメリカ,アジアに分布し,日本では北海道,本州,九州に産する。梅雨のころと秋に発生し,多汁肉質の子実体は大きさ10~20cmのウシの舌の形になり,上面は濃い紅色を現す。一見動物の肝臓に似た形をするためにこの名が与えられた。欧米では食用に供する。
執筆者:林 康夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報