ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンパニョーラ」の意味・わかりやすい解説
カンパニョーラ
Campagnola, Giulio
[没]1514以後
イタリアの版画家,画家。作品は版画しか残っていない。パドバで修業し,初期の版画は精巧な刻線によってギリシア神話に由来するヒューマニスティックな主題を生き生きと表現している。ベネチアでジョルジョーネの作品に接してから,初期の様式をやわらげ,ジョルジョーネのなごやかな人物の姿やぼんやりと薄い影を版画に表現する努力を重ね,点刻法を使用して彼の絵を数枚の版画に仕上げている。カンパニョーラの点刻法は当時斬新なもので,この様式は 18世紀に再び流行している。作品は『洗礼者ヨハネ』(1505頃,シカゴ美術館)など。
カンパニョーラ
Campagnola, Domenico
[没]1563以後
イタリアの版画家,画家,最初の職業図案家。 G.カンパニョーラの弟子であり名前を受けているが,絵画的な師の版画の様式は継承していない。初期にはパドバの聖堂に多くのフレスコ画を描き,V.ティツィアーノのアシスタントとしても知られるが現存する作品は少い。作品に表わされた動きのある人物や強調された影,情熱的な色彩などはすでにバロック的な要素をもっている。作品は『音楽を楽しむ牧人たち』 (1515,大英博物館) ,『聖母とパドバの守護聖者』 (37,パドバ,市立絵画館) など。
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