出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ボツワナの政治家。バマングワト人最高首長の子として生まれる。南アフリカ連邦の大学を卒業後オックスフォード大学に留学した。留学中イギリス女性と結婚したため母国とイギリスの反対にあい、首長継承権を失った。1956年帰国し、1962年民主党を結成、同時に立法評議会議員となり、1965年選挙で大勝し首相に就任。1966年9月の独立後大統領。反人種主義の立場にたち、近隣諸国とともに南部アフリカの解放闘争を支援するいわゆるフロントライン五か国を結成、これら諸国を中心とする南部アフリカ協力評議会(SADCC)を提唱し、南アフリカ共和国の経済支配からの離脱を図った。1980年7月病死。
[林 晃史]
古代インドの愛の神。元来サンスクリット語の「意欲」という意味の普通名詞であったものが、しだいに「愛欲」とか「性愛」という意味に狭められ、固有名詞として愛の神となった。サンスクリット文学ではオウムにまたがる美男子とされ、左手にはミツバチの群がるサトウキビの弓を持ち、右手にはそれぞれ「悩ます」「焦がす」「迷わす」「攪乱(かくらん)する」「酔わす」と名づけられた5本の矢を持ち、これで若い男女の心を射って恋情(れんじょう)をかき立てる。イルカをそのしるしとし、また花の弓矢を携える者ともいわれる。あるとき彼は妻のラティ(悦楽)と友人のバサンタ(春)を伴い、ヒマラヤ山中で苦行に励んでいたシバ神を誘惑しようとしたが失敗し、神の怒りに触れてその第三の目から発した火により焼き殺される。しかしシバ神はラティの願いを受け入れて、彼をアナンガ(形なきもの)として人々の心のなかに再生させたという。
[原 實]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…もっとも重要な原語(梵=サンスクリット語,巴=パーリ語)に,標準的な漢訳と解説を付加すると,以下のようになる。 梵巴〈カーマkāma〉:〈愛・愛欲〉。原義は〈欲求〉一般であるが,しばしば〈愛欲・性愛・性行為〉を指し,インドでは古来,人生の三(ないし四)大事と認められているが,仏教では,もちろん,否定されるべき〈煩悩〉とみなされる。…
…現存する古代インドの性愛論書(カーマ・シャーストラ)のうちで,最も古くかつ重要な文献。バーツヤーヤナ(マッラナーガ)作であり,およそ4~5世紀ころに成立したと推定されるが,この成立年代はなんら確定的なものではない。…
…しかし,インド人は現実に背を向けてきたわけではない。彼らが〈実利(アルタartha)〉と〈愛欲(カーマkāma)〉を〈法(ダルマdharma)〉〈解脱(モークシャmokṣa)〉と並ぶ人生の目的として掲げていたことはよく知られている。また王侯が刻ませた碑文には,歴年,王家の系譜,場所,事件などが具体的に記されており,彼らが〈過去〉〈現在〉に強い関心をもっていたことがわかる。…
… 単位時間あたりの吸収線量,照射線量および線量当量を,それぞれ,吸収線量率,照射線量率および線量当量率といい,rad・min-1,R・min-1あるいはrem・h-1などで表す。 なお,X線,γ線や中性子など非荷電放射線が,物質との相互作用で二次荷電粒子を発生したとき,その荷電粒子が得た最初の運動エネルギーの和をその物質の質量で除した商をカーマといい,radやGy単位で表す。【丸山 隆司】。…
※「カーマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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