カーマ(英語表記)K.R.Kāma

デジタル大辞泉 「カーマ」の意味・読み・例文・類語

カーマ(〈梵〉Kāma)

《意欲・愛欲の意》インド神話で、愛の神。リグ‐ベーダでは宇宙創造の原動力としてうたわれたが、のち愛欲の神とされた。

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精選版 日本国語大辞典 「カーマ」の意味・読み・例文・類語

カーマ

  1. ( [サンスクリット語] Kāma 「愛欲」の意 ) インド神話の愛欲の神。快楽の女神ラティを妻とし、人間の愛欲、恋愛をつかさどる。古くは、世界創造の原動力とみなされた。

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改訂新版 世界大百科事典 「カーマ」の意味・わかりやすい解説

カーマ
K.R.Kāma
生没年:1831-1909

インドのゾロアスター教の改革者。ボンベイゾロアスター教徒パールシー)の裕福な商人の家に生まれる。ドイツに渡り,著名なシュピーゲルのもとで古代ペルシア語イラン学を修得し,1859年に帰国。イラン学研究を専門とする学校を設立して優秀な学徒,司祭を育成した。当時パールシーの社会で叫ばれていた復古主義運動に呼応して,ヒンドゥー教イスラムと混交していたインドのゾロアスター教の純粋化に大いに貢献した。彼の業績を記念して,彼の死後,1919年にボンベイに〈カーマ・オリエンタル研究所〉が創設された。
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カーマ
kerma

ケルマとも呼ぶ。X線,γ線,中性子線などの間接電離性放射線の照射によって,物質の微小体積の中に発生した電子,陽子などの電離性荷電粒子の初期運動エネルギーの総和dEをその微小体積の質量dmで割ったもの,すなわちdE/dmをいう。カーマは,間接電離性放射線の線量を表すために用いられるもので,単位は,グレイ,またはラド
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーマ」の意味・わかりやすい解説

カーマ(Seretse Khama)
かーま
Seretse Khama
(1921―1980)

ボツワナの政治家。バマングワト人最高首長の子として生まれる。南アフリカ連邦の大学を卒業後オックスフォード大学に留学した。留学中イギリス女性と結婚したため母国とイギリスの反対にあい、首長継承権を失った。1956年帰国し、1962年民主党を結成、同時に立法評議会議員となり、1965年選挙で大勝し首相に就任。1966年9月の独立後大統領。反人種主義の立場にたち、近隣諸国とともに南部アフリカの解放闘争を支援するいわゆるフロントライン五か国を結成、これら諸国を中心とする南部アフリカ協力評議会(SADCC)を提唱し、南アフリカ共和国の経済支配からの離脱を図った。1980年7月病死。

[林 晃史]


カーマ(古代インドの愛の神)
かーま
Kāma

古代インドの愛の神。元来サンスクリット語の「意欲」という意味の普通名詞であったものが、しだいに「愛欲」とか「性愛」という意味に狭められ、固有名詞として愛の神となった。サンスクリット文学ではオウムにまたがる美男子とされ、左手にはミツバチの群がるサトウキビの弓を持ち、右手にはそれぞれ「悩ます」「焦がす」「迷わす」「攪乱(かくらん)する」「酔わす」と名づけられた5本の矢を持ち、これで若い男女の心を射って恋情(れんじょう)をかき立てる。イルカをそのしるしとし、また花の弓矢を携える者ともいわれる。あるとき彼は妻のラティ(悦楽)と友人のバサンタ(春)を伴い、ヒマラヤ山中で苦行に励んでいたシバ神を誘惑しようとしたが失敗し、神の怒りに触れてその第三の目から発した火により焼き殺される。しかしシバ神はラティの願いを受け入れて、彼をアナンガ(形なきもの)として人々の心のなかに再生させたという。

[原 實]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーマ」の意味・わかりやすい解説

カーマ
Khama, Seretse

[生]1921.7.1. セロウェ
[没]1980.7.13. ハボローネ
ボツワナの政治家。イギリス保護領ベチュアナランド最大の部族ングワト族の首長の子として生れ,5歳で首長。南アフリカのフォートヘア大学,ウイットウォータースランド大学を経てイギリスへ渡り,オックスフォードのベイリオル・カレッジで法律,政治,経済を学んだ。この間イギリス女性と結婚したため部族の非難を浴び,1956年首長の地位を放棄する条件で帰国を認められた。 61年ベチュアナランド民主党 BDPを創設して党首となり,同年の第1回立法評議会選挙で当選。 65年立法議会選挙に勝ち自治政府首相。 66年9月独立とともにボツワナ共和国初代大統領。穏健,親西欧的態度を保持したが,74年からは,南部アフリカ前線諸国首脳の一員としてジンバブエの独立支援など精力的に活動。 79年 10月大統領に4選された。 80年病死。

カーマ
Kāma

インド神話における愛の神。カンダルパともいう。おうむに乗り,5本の花の矢を持ち,花の弓につがえて人の心を射る。ラティ (快楽) は彼の妻であり,バサンタ (春) は彼の親友である。彼はシバ神の苦行を妨げようとしてシバの第3の目によって焼き殺されてしまう。それ以来,アナンガ (体なきもの) と呼ばれるようになったという。また,マノーブー (心に生じるもの) とも呼ばれる。仏教に取入れられ,愛染明王として,広く民衆の信仰を受けた。

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世界大百科事典(旧版)内のカーマの言及

【愛】より

…もっとも重要な原語(梵=サンスクリット語,巴=パーリ語)に,標準的な漢訳と解説を付加すると,以下のようになる。 梵巴〈カーマkāma〉:〈愛・愛欲〉。原義は〈欲求〉一般であるが,しばしば〈愛欲・性愛・性行為〉を指し,インドでは古来,人生の三(ないし四)大事と認められているが,仏教では,もちろん,否定されるべき〈煩悩〉とみなされる。…

【カーマスートラ】より

…現存する古代インドの性愛論書(カーマ・シャーストラ)のうちで,最も古くかつ重要な文献。バーツヤーヤナ(マッラナーガ)作であり,およそ4~5世紀ころに成立したと推定されるが,この成立年代はなんら確定的なものではない。…

【歴史】より

…しかし,インド人は現実に背を向けてきたわけではない。彼らが〈実利(アルタartha)〉と〈愛欲(カーマkāma)〉を〈法(ダルマdharma)〉〈解脱(モークシャmokṣa)〉と並ぶ人生の目的として掲げていたことはよく知られている。また王侯が刻ませた碑文には,歴年,王家の系譜,場所,事件などが具体的に記されており,彼らが〈過去〉〈現在〉に強い関心をもっていたことがわかる。…

【放射線量】より

… 単位時間あたりの吸収線量,照射線量および線量当量を,それぞれ,吸収線量率,照射線量率および線量当量率といい,rad・min-1,R・min-1あるいはrem・h-1などで表す。 なお,X線,γ線や中性子など非荷電放射線が,物質との相互作用で二次荷電粒子を発生したとき,その荷電粒子が得た最初の運動エネルギーの和をその物質の質量で除した商をカーマといい,radやGy単位で表す。【丸山 隆司】。…

※「カーマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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