サンスクリット文学(読み)サンスクリットぶんがく(その他表記)Sanskrit literature

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンスクリット文学」の意味・わかりやすい解説

サンスクリット文学
サンスクリットぶんがく
Sanskrit literature

古代インドの共通文章語サンスクリット語による文学で,古層のベーダ文学を区別する場合には古典サンスクリット語の文学をいう。二大叙事詩マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』によって代表される叙事詩時代を経て,古典サンスクリット文学は2世紀頃先駆者として仏教詩人馬鳴 (めみょう。アシュバゴーシャ) の出現をみ,さらに4世紀頃文豪カーリダーサが出るに及んで隆盛期に達し,その後約 800年間に多くの作家が現れた。古典サンスクリット文学の作品を総称してカービヤというが,これは叙事詩,抒情詩戯曲,伝奇小説,説話などの作品を包含し,プラークリット語アパブランシャ語の併用を許し,技巧的な文体を用いた美文体の作品であることを特徴とする。

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旺文社世界史事典 三訂版 「サンスクリット文学」の解説

サンスクリット文学
サンスクリットぶんがく

古代インドの文章語であるサンスクリット(梵語)で書かれた文学で,グプタ朝の詩聖カーリダーサの時代以降がその黄金時代とされる
カーリダーサの傑作シャクンタラー』などの戯曲や叙情詩,説話などの分野で多くの作品が生まれた。8世紀のババブーティ,12世紀に歴史書『ラージャタランギニー』を著したカルハナらの作家は有名である。また説話集パンチャタントラ』は東南アジア地域に広がり,多大な影響を与えた。

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世界大百科事典(旧版)内のサンスクリット文学の言及

【インド文学】より

…これに反しインド・ヨーロッパ語の文学は過去4000年の長きにわたり,インド文学の主流をなしている。インド文学史は言語史の上から,古代のベーダ文学,中古の古典サンスクリット文学,近世の諸地方語文学に分けられる。古代・中古の文学はインド・アーリヤ語の文学であって,近世の文学もインド・ヨーロッパ語文学を主流とするが,便宜上ドラビダ文学もこれに含める。…

※「サンスクリット文学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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