ガイスラー(読み)がいすらー(英語表記)Johann Heinrich Wilhelm Geissler

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガイスラー」の意味・わかりやすい解説

ガイスラー
がいすらー
Johann Heinrich Wilhelm Geissler
(1815―1879)

ドイツの実験装置製作者。初めガラス吹きの技術を習得し、オランダで約8年間働き、1841年ボン仕事場をもった。1852年、ボン大学物理化学の実験装置の製作技師になった。1852年、ボン大学のプリュッカーのために精巧な温度計をつくり、同年、地元の業者のためにワインのアルコール度検出計をつくった。いずれも彼のガラス細工の腕を示していた。1857年には有名なガイスラー管をつくった。これはプリュッカーが真空放電の実験に用いるためのもので、ガイスラーは水銀柱数ミリメートル~数センチメートルの真空を得るために水銀空気ポンプを開発し、この装置はのちにポッゲンドルフ誘導電流の実験でも使われた(1864)。1868年ボン大学より博士号を受けた。

高山 進]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガイスラー」の意味・わかりやすい解説

ガイスラー
Geissler, Heinrich

[生]1814.5.26. ザックスマイニンゲン,イゲルシーブ
[没]1879.1.24. ボン
ドイツの機械技師。ガラス細工に熟練して理化学機械の製造販売を業とし,1852年からはボン大学の機械工として J.プリュッカーらの研究活動を支えた。 55年にはピストン・ポンプのかわりに水銀柱を利用した真空ポンプを開発し,真空度の高いガイスラー放電管をつくった。これはのち真空放電やその他の研究に大きく貢献した。 68年,ボン大学から名誉学位を授与された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ガイスラー」の意味・わかりやすい解説

ガイスラー

ドイツの技術者。ボンで理化学器械製作工場を経営,ボン大学の物理・化学機器の製作にも従事し,プリュッカーらの研究を支えた。中でも真空放電管(ガイスラー管,1858年)は放電現象の実験研究に大きく貢献した。水銀ポンプの製作でも知られる。
→関連項目プリュッカー

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android