石炭乾留(読み)せきたんかんりゅう(英語表記)carbonization

翻訳|carbonization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

石炭乾留
せきたんかんりゅう
carbonization

石炭を蒸焼きにして揮発分をガスとして追出し,コークスを残す操作で,一種の分解蒸留である。乾留炉は装置の形状,加熱方式の相違によって,水平式炉,連続式直立炉など多くの炉式に分類されるが,現存する設備のほとんどは処理量が大きく,良質なコークスの得られるコークス炉である。得られたガスは炉本体の加熱用として使われるほか,精製工程を経て硫黄分などの不純物を除去したのち都市ガスとして利用される。

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百科事典マイペディアの解説

石炭乾留【せきたんかんりゅう】

石炭を,空気を断って高温に熱して分解し,ガス,タール,コークスなどに分けること。1000〜1350℃に熱して行う高温乾留と500〜600℃で行う低温乾留がある。高温乾留は主として製鉄所で,原料用コークス製造を目的に行われているが,低温乾留のほうは日本では現在ほとんど行われていない。
→関連項目乾留コールタール石炭化学石炭化学工業脱硫

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大辞林 第三版の解説

せきたんかんりゅう【石炭乾留】

石炭を乾留して、石炭ガスをはじめ、アンモニア・コールタール・コークスなどを得ること。

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世界大百科事典内の石炭乾留の言及

【乾留】より

…石炭,木材,ピッチなどの固体有機物を,空気の流通を断って熱分解する操作をいう。これによって可燃性のガスや液体とともに,コークスや木炭が得られる。ここでは石炭および木材の乾留について述べよう。
[石炭の乾留]
 空気を供給することなく石炭を加熱すると,まず吸蔵されていた水分やガスが放出されるが,300℃くらいから熱分解が始まる。熱分解反応の開始温度は,石炭化度の低い石炭では低く,石炭化度の高い石炭では高い。…

【石炭化学工業】より

…なおコークスからカーバイドを経てアセチレンを生産する産業は,電気化学工業の範疇(はんちゆう)に入る。また石炭乾留は,製鉄業,都市ガス製造業の副業として行われている。 石炭を乾留するとガス,コークス,コールタールが得られることは,17世紀ころから知られていたが,石炭乾留が工業的に使われるようになったのは18世紀に入ってからである。…

※「石炭乾留」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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