石炭乾留(読み)セキタンカンリュウ

デジタル大辞泉 「石炭乾留」の意味・読み・例文・類語

せきたん‐かんりゅう〔‐カンリウ〕【石炭乾留】

空気を断って石炭加熱分解し、石炭ガスガス液コールタールコークスなどを得ること。

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精選版 日本国語大辞典 「石炭乾留」の意味・読み・例文・類語

せきたん‐かんりゅう‥カンリウ【石炭乾留】

  1. 〘 名詞 〙 石炭を、空気を断って加熱分解すること。乾留によって石炭ガス、コールタール、ガス液、コークスに分かれる。〔児童物理化学物語(1928)〕

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百科事典マイペディア 「石炭乾留」の意味・わかりやすい解説

石炭乾留【せきたんかんりゅう】

石炭を,空気を断って高温に熱して分解し,ガス,タール,コークスなどに分けること。1000〜1350℃に熱して行う高温乾留と500〜600℃で行う低温乾留がある。高温乾留は主として製鉄所で,原料用コークス製造を目的に行われているが,低温乾留のほうは日本では現在ほとんど行われていない。
→関連項目乾留コールタール石炭化学石炭化学工業脱硫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石炭乾留」の意味・わかりやすい解説

石炭乾留
せきたんかんりゅう
carbonization

石炭を蒸焼きにして揮発分をガスとして追出し,コークスを残す操作で,一種分解蒸留である。乾留炉は装置形状,加熱方式の相違によって,水平式炉,連続式直立炉など多くの炉式に分類されるが,現存する設備のほとんどは処理量が大きく,良質なコークスの得られるコークス炉である。得られたガスは炉本体の加熱用として使われるほか,精製工程を経て硫黄分などの不純物を除去したのち都市ガスとして利用される。

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改訂新版 世界大百科事典 「石炭乾留」の意味・わかりやすい解説

石炭乾留 (せきたんかんりゅう)

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化学辞典 第2版 「石炭乾留」の解説

石炭乾留
セキタンカンリュウ
carbonization of coal

[別用語参照]石炭熱分解

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世界大百科事典(旧版)内の石炭乾留の言及

【乾留】より

…石炭,木材,ピッチなどの固体有機物を,空気の流通を断って熱分解する操作をいう。これによって可燃性のガスや液体とともに,コークスや木炭が得られる。ここでは石炭および木材の乾留について述べよう。
[石炭の乾留]
 空気を供給することなく石炭を加熱すると,まず吸蔵されていた水分やガスが放出されるが,300℃くらいから熱分解が始まる。熱分解反応の開始温度は,石炭化度の低い石炭では低く,石炭化度の高い石炭では高い。…

【石炭化学工業】より

…なおコークスからカーバイドを経てアセチレンを生産する産業は,電気化学工業の範疇(はんちゆう)に入る。また石炭乾留は,製鉄業,都市ガス製造業の副業として行われている。 石炭を乾留するとガス,コークス,コールタールが得られることは,17世紀ころから知られていたが,石炭乾留が工業的に使われるようになったのは18世紀に入ってからである。…

※「石炭乾留」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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