知恵蔵 「ガス自由化」の解説
ガス自由化
他業種からの新規参入が期待されているが、全国で約380の新規参入申請があった電力と異なり、ガスの新規参入を表明している事業者は、LNG(液化天然ガス)の調達ルートを持つ日本瓦斯や電力大手など10社にとどまっている(17年1月末時点)。都市ガスの普及率は50%程度で、小口市場規模も約2兆4千億円と電力の3分の1程度に過ぎない。また、厳しい保安義務の履行も新規参入の障壁になっている。消費者の関心も薄く、ガス自由化より認知度が高かった電力自由化でも、新規参入の新電力に切り替えられた件数は3%足らずだった。今後、電力・ガスのセット割引を始めとするサービス競争が消費者の切り替えを促し、将来的にはエネルギー業界の再編・統合につながるという見方もある。
(大迫秀樹 フリー編集者/2017年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報