日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガルシア・ロブレス」の意味・わかりやすい解説
ガルシア・ロブレス
がるしあろぶれす
Alfonso García Robles
(1911―1991)
メキシコの外交官。サモラに生まれる。メキシコ国立大学で国際法などを学び1933年卒業、のちにパリ大学、ハーグの国際法アカデミーに留学する。1939年に外務省に入り、ブラジル大使、外務次官等を経て、1971年から1975年までメキシコの国連代表、1975年から1976年まで外務大臣を務めた。さらに1977年にはジュネーブ軍縮委員会(現、軍縮会議)のメキシコ代表となった。
ガルシア・ロブレスは、キューバ危機の際に当時のメキシコ大統領ロペス・マテオスAdolfo López Mateos(1910―1969)が提唱したラテンアメリカ核兵器禁止条約(トラテロルコ条約)のとりまとめに努力し、1967年に署名にこぎつけた(1968年発効)。この条約は、米ソ二大勢力の衝突によってラテンアメリカが核戦争に巻き込まれるのを防止するために、この地域における核兵器の製造、実験などを禁止するものであった。また彼は、国際連合においても軍縮問題に積極的にかかわり、1978年に開かれた第1回国連軍縮特別総会では代表の一人として各国間の調整にあたり、最終文書の採択に成功した。1982年、長年にわたる軍縮活動に対して、スウェーデンのミュルダールとともにノーベル平和賞を受賞した。1985年には軍縮会議の議長に選出された。
[編集部]