トラテロルコ条約(読み)トラテロルコジョウヤク

デジタル大辞泉 「トラテロルコ条約」の意味・読み・例文・類語

トラテロルコ‐じょうやく〔‐デウヤク〕【トラテロルコ条約】

《「ラテンアメリカ及びカリブにおける核兵器の禁止に関する条約」の通称中南米非核化を定めた条約。1968年発効。中南米33か国を対象とし、すべての国が締約。締約国領域内での核兵器実験・使用・製造・生産・取得・貯蔵配備等を禁止する。平和目的の核爆発は容認される。議定書で、核兵器国に、締約国に対して核兵器の使用・威嚇を行わないことを求めている。名称は、調印式が行われたメキシコ外務省の所在地区名に由来

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「トラテロルコ条約」の解説

トラテロルコ条約

中南米とカリブ地域で核兵器の製造、実験、使用、配備などを禁じた核兵器禁止条約。1967年2月に調印され、68年4月に発効した。中南米33カ国が対象で、全ての国が締約国となっている。62年のキューバ危機契機となって中南米地域の非核化構想が進展し、メキシコが主導して取りまとめた。ほかの南太平洋(ラロトンガ条約)、東南アジア(バンコク条約)、アフリカ(ペリンダバ条約)など4地域の非核地帯条約の先駆けとなった。(メキシコ市共同)

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

百科事典マイペディア 「トラテロルコ条約」の意味・わかりやすい解説

トラテロルコ条約【トラテロルコじょうやく】

ラテン・アメリカおよびカリブ地域非核地帯条約の通称。トラテロルコTlatelolcoとはメキシコ・シティの外務省の前の広場の名前。1967年2月に調印され,1968年4月に発効。この条約は地域の軍事的非核化制度を設定した最初の条約で,メキシコ外相ガルシア・ロブレスが提唱し,推進した。締約国は自国の領域内での核兵器の実験,使用,製造,生産,取得,所有が全面的に禁止される。ただし,この条約では〈平和的目的の核爆発〉(例えば,土木利用など)は禁止していない。また,条約の履行のためにラテン・アメリカ核兵器禁止機構が設立され,検証を含めた管理制度が確立されている。2004年末現在,加盟国33。条約の履行を域外の核兵器保有国にも求めた議定書については,すでに五つの核兵器保有国がすべて批准。なお,ガルシア・ロブレスはこの功績により,1982年にノーベル平和賞を受賞。→ラロトンガ条約ペリンダバ条約東南アジア非核地帯条約
→関連項目核拡散防止条約

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トラテロルコ条約」の意味・わかりやすい解説

トラテロルコ条約
とらてろるこじょうやく

ラテンアメリカ核兵器禁止条約

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トラテロルコ条約」の意味・わかりやすい解説

トラテロルコ条約
トラテロルコじょうやく

「ラテンアメリカ核兵器禁止条約」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のトラテロルコ条約の言及

【核不拡散条約】より

…これは,同地域内の諸国が核兵器を製造・保有せず,核兵器国は同地域に核兵器を持ち込まず,使用しないことを主内容とする。1967年3月にラテン・アメリカに最初のNWFZを設置する条約(トラテロルコ条約)が調印された。 しかし1970年代にはトラテロルコ条約に続くNWFZは実現しなかった。…

※「トラテロルコ条約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android