ガレオン船(読み)がれおんせん(英語表記)galleon

翻訳|galleon

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガレオン船」の意味・わかりやすい解説

ガレオン船
がれおんせん
galleon
galeon

スペイン軍船、貿易船として16~19世紀に用いられた大型帆船。フォアマストとメインマストとには2~3枚の横帆をもち、ミズンマストにはラティーン・セールとよばれる縦帆をもつ。甲板は3層~4層程度の構造になっていた。15~16世紀にスペインやイギリスで用いられていたキャラック船の船首楼を低くして風上に切り上りやすくしてこの型の船がつくられたといわれる。これは1570年にイギリスのホーキンズ功績であり、これが17年後にスペインに伝えられたといわれる。

[茂在寅男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガレオン船」の意味・わかりやすい解説

ガレオン船
ガレオンせん
galleon

15~16世紀に登場した3~4層甲板の大型帆走軍艦商船としても用いられた。火砲発達とともに,より大きな砲を軍艦に搭載する要求が起ったが,それまでのガレー船では上層甲板に重い砲を積むと転覆する危険があった。ヘンリー8世治下のイギリスの造船工が砲を下層甲板から舷側に開けられた窓を通じて発射することを考案し,帆走技術の向上に伴ってガレオン船が生れた。ガレオン船はガレー船に比べて遠洋航海に耐え,本格的な対艦艦砲射撃を可能にした。

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