キナーゼ(英語表記)kinase

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キナーゼ」の意味・わかりやすい解説

キナーゼ
kinase

基質にアデノシン三リン酸 ATPの末端リン酸を導入する反応を触媒する酵素を,キナーゼと総称する。ブドウ糖 (G) からブドウ糖-6-リン酸 (G6P) を生じるグルコキナーゼは代表例である (G+ATP→G6P+ADP) 。ピルビン酸キナーゼの場合には,生理的には逆反応が重要で,ホスホエノルピルビン酸+ADP→ピルビン酸+ATPの反応は,解糖系における ATP生成反応である。キナーゼという名には,基質にリン酸基を与えて代謝的に活発化させるという含みがある。上記のほか,各種酵素蛋白質をリン酸化して活性を調節するプロテイン・キナーゼや,高エネルギーリン酸結合の貯蔵分子であるクレアチンリン酸と ATPの間でリン酸を授受するクレアチン・キナーゼなど,重要な役割を演じる酵素も多い。

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