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転移酵素 てんいこうそ transferase

翻訳|transferase

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

転移酵素
てんいこうそ
transferase

2個の基質間で,ある基の転移を触媒する酵素。酵素の分類群の一つであり,その反応は A-X+B⇔A+B-X のように書くことができる。生体内で広く認められるものとしては,トランスアミナーゼ (アミノ酸とケト酸の間でのアミノ基の転移) ,トランスアセチラーゼ,トランスメチラーゼ,トランスケトラーゼ (2種のケトース間でケトール基を転移) ,各種のキナーゼ (ATP から末端リン酸基を転移) など各種のものがある。

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デジタル大辞泉の解説

てんい‐こうそ〔‐カウソ〕【転移酵素】

化合物の基を転移させる反応を触媒する酵素アミノ基転移酵素(トランスアミナーゼ)・燐酸基(りんさんき)転移酵素(ホスホトランスフェラーゼ)など。トランスフェラーゼ。

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栄養・生化学辞典の解説

転移酵素

 →トランスフェラーゼ

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世界大百科事典 第2版の解説

てんいこうそ【転移酵素 transferase】

トランスフェラーゼ,移転酵素とも呼ばれる。基転移反応を触媒する一群の酵素の総称。国際酵素委員会指定の六つの大分類,すなわち酸化還元,転移,加水分解,解裂,異性化,合成の各酵素群の2番目にあたるが,さらに転移反応の内容(表)に従って次の7種類に分類されている。(1)炭素1個を含む基の転移,(2)アルデヒド基ケトン基の転移,(3)アシル基の転移,(4)グリコシル基に作用するもの,(5)アルキル基の転移,(6)含窒素基の転移,(7)リン酸を含む基の転移。

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大辞林 第三版の解説

てんいこうそ【転移酵素】

一つの化合物からアミノ基・メチル基・リン酸基などの原子団を他の化合物に転移する反応を触媒する酵素の総称。アミノ基転移酵素・リン酸基転移酵素など。トランスフェラーゼ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

転移酵素
てんいこうそ
transferase

ある基を二つの基質間で転移させる反応を触媒する酵素の総称で、トランスフェラーゼともいう。基質の一方(供与体)から他の基質(受容体)に転移される基の種類によって、次のように分類される。
 (1)メチル基、カルボキシ基(カルボキシル基)などC1の基 トランスメチラーゼ、トランスカルボキシラーゼ、(2)アルデヒド基、ケトン基 トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、(3)アシル基、アミノアシル基 コリンアセチルトランスフェラーゼ、(4)グルコシル基 α(アルファ)-グルカンフォスフォリラーゼ、(5)メチル基以外のアルキル基またはこれに関係のある基 ジメチルアリルトランスフェラーゼ、(6)窒素を含む基 トランスアミナーゼ(アミノトランスフェラーゼ)、(7)リン酸を含む基 ヘキソキナーゼ、クレアチンキナーゼ、フォスフォグルコムターゼ、リボヌクレアーゼ、プロテインキナーゼ、(8)硫黄(いおう)を含む基 アミンスルフォトランスフェラーゼ、(9)セレンを含む基 セレノシステインシンターゼ、などの基を転移するものがある。
 なかでも、アミノ転移反応を触媒するトランスアミナーゼは、ほとんどすべてのアミノ酸に作用する重要な転移酵素であり、一つのアミノ酸(供与体アミノ酸)のアミノ基が他のアミノ酸(生成アミノ酸)の炭素骨格に転移する反応をおこす。動物組織のホモジェネート(細胞破砕物)の存在により、アスパラギン酸あるいはアラニンはそのアミノ基をα-ケトグルタル酸に与えグルタミン酸を生成することが、ソ連の生化学者ブラウンシテインА.Е.Браунштейн/A. E. Braunshteyn(1902―1986)らによって発見された。
 また、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼはグルタミン酸オキサロ酢酸トランスフェラーゼ(略称GOT)、アラニンアミノトランスフェラーゼはグルタミン酸ピルビン酸トランスフェラーゼ(略称GPT)ともよばれ、肝疾患や心疾患のある場合には血清中のこれらの酵素活性が著しく上昇する。このためGOTおよびGPT活性は肝疾患や心疾患の診断によく用いられ、臨床検査の面からも重要である。
 すべてのトランスアミナーゼは、ピリドキサールリン酸あるいはピリドキサミンリン酸を補酵素として必要とする。アミノ転移の代謝的役割は、アミノ酸の生合成および分解、炭水化物代謝とアミノ酸代謝との間の連結、および尿素やγ(ガンマ)-アミノ酪酸などいくつかの特殊な化合物の合成などがあり、きわめて重要である。このほか、ペントースリン酸回路の転移酵素であるトランスケトラーゼとトランスアルドラーゼは、炭水化物代謝における炭素骨格の再編成に関与しており、重要である。
 トランスケトラーゼが触媒する反応は、ケトール供与体であるケトースから受容体アルデヒドであるアルドースへのケトール残基の転移である。トランスケトラーゼは必須(ひっす)補因子としてチアミンピロリン酸とマグネシウムイオンなどの二価金属カチオン(陽イオン)を必要とする。
 トランスアルドラーゼの触媒する反応は、フルクトース-6-リン酸やセドヘプツロース-7-リン酸のジヒドロキシアセトン部分を、適当な受容体アルドースへ転移する反応である。この酵素は補酵素を必要としない。また、リン酸基を転移するキナーゼの一種であるプロテインキナーゼ群は情報伝達に関与していて重要である。[飯島道子]
『八木達彦他編『酵素ハンドブック』第3版(2008・朝倉書店)』

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