キョンサンナム道(読み)キョンサンナム(その他表記)Kyǒngsang nam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キョンサンナム道」の意味・わかりやすい解説

キョンサンナム(慶尚南)〔道〕
キョンサンナム
Kyǒngsang nam

韓国の南東端にある1級行政区。道庁は国の直轄するプサン (釜山) 市にある。行政区域は 10市 19郡。東部はテベク (太白) 山脈,西部はソベク (小白) 山脈に属する山地丘陵である。ナクトン (洛東) 江と支流ナム (南) 江が山脈の間を縫って広い谷やチンジュ (晋州) ,ハプチョン (陝川) などの盆地を潤し,下流に三角州のキムヘ (金海) 平野が発達している。農業が盛んで,2毛作が広く行われる。主作物は米,オオムギサツマイモ。特にオオムギはキョンサンプク (慶尚北) 道とともに国の中心的な産地である。商品作物はタバコのほかブドウ,カキ,モモ,リンゴ,ナシなどの果樹が多い。大消費地のプサン市を控えて,ネギ,トマト,キュウリ,スイカなどの促成栽培が行われる。養蚕と牧牛も盛んで,多角的農業が特色である。 1960年代から急速に工業化が進められ,ウルサン (蔚山) 市,マサン (馬山) 市,チンヘ (鎮海) 市,チャンウォン (昌原) 市に工業団地が造成され,重工業が発達している。沿岸は好漁場で,漁業が盛んである。南岸は沈降性海岸で屈曲が多く,コジェ (巨済) 島,ナムヘ (南海) 島などが散在して,ハルリョ (閑麗) 海上国立公園に指定されている。ソベク山脈カヤ (伽 倻) 山中にある海印寺,ヤンサン (梁山) 郡の通度寺は,韓国有数の古刹である。面積1万 1847km2人口 367万 9396 (1990推計) 。

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