改訂新版 世界大百科事典 「キリーノ」の意味・わかりやすい解説
キリーノ
Elpidio Quirino
生没年:1890-1956
フィリピン共和国の第2代大統領。南イロコス州ビガン市出身。フィリピン大学卒業。M.ケソンの秘書を経て,1919-22年下院議員,25-41年上院議員に選ばれた。34年に財務長官となる。46年独立後初の大統領選挙で副大統領に当選。48年4月,ロハス大統領の急逝で大統領に昇格。49年に再選された。キリーノ政権の6年間は,大戦後の経済復興のゆきづまりとフクバラハップの反体制運動で,フィリピン社会は混乱をきわめた。彼はこの情況を,アメリカの軍事援助と軍事使節団の助けで,強圧的にきり抜けた。51年に対日講和条約に調印,52年初頭より日比賠償交渉を開始した。53年の大統領選挙でマグサイサイに敗れた。
執筆者:池端 雪浦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報