玄武岩質火山岩類に伴い,層状をなして産する含銅硫化鉄鉱床。層状含銅硫化鉄鉱床または別子型鉱床ともいう。普通1~2%の銅を含み,亜鉛も数%に達することがある。硫化鉄資源としても重要。キプロス型銅鉱床と類似する点が多いが,本鉱床を伴う玄武岩類は泥岩や砂岩と互層し,広域変成作用を受けていることが多い。日本では三波川(さんばがわ)変成帯中に多くの例が知られており,かつては日本の主要な銅の供給源であったが,現在稼行されている鉱山はない。スカンジナビアやカナダにも多くの例があるが,世界的には銅資源としての重要性は低い。愛媛県別子銅山は本鉱床の典型例である。鉱床の成因は,海底火山活動に伴う噴気熱水活動の生成物とされている。
執筆者:佐藤 壮郎
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