ギョレメ国立公園(読み)ギョレメこくりつこうえん(英語表記)Göreme National Park

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギョレメ国立公園」の意味・わかりやすい解説

ギョレメ国立公園
ギョレメこくりつこうえん
Göreme National Park

トルコ,アナトリア高原中央部,カッパドキアのギョレメ渓谷を中心とする国立公園。面積 96km2。 1986年指定。カッパドキアは火山灰が堆積した凝灰岩層が長い年月の間に雨水湧水浸食作用によって,キノコ尖塔の形に削られた奇岩で知られ,古くから交易要衝として栄えた。ローマ帝国によるキリスト教弾圧が激しくなった4世紀初め,難を逃れたキリスト教徒がこの地に移住し,岩山をうがって洞窟修道院などを建設した。その後,イスラム進入により移住は加速し,ギョレメ渓谷はキリスト教徒にとって重要拠点となり,10世紀までに 360もの聖堂や修道院が建造されたといわれる。それらの内部を飾った壁画のうち,主として9~13世紀に描かれた素朴な画風のものが現存する。 1985年世界遺産の文化遺産と自然遺産の複合遺産に登録。

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