改訂新版 世界大百科事典 「クイラークーチ」の意味・わかりやすい解説
クイラー・クーチ
Arthur Thomas Quiller-Couch
生没年:1863-1944
イギリスの批評家,小説家。オックスフォード大学で古典学を専攻。雑誌《スピーカー》の編集者になるが,1912年ケンブリッジ大学に英文学科が開設されると,初代教授になる。ビクトリア時代の良識を支えにし,清新な文体で人気を博す。批評作品に《文章の技法》(1916),《読書の技術》(1920),《文学研究》3巻(1918-29)があり,《オックスフォード英詩選集》(1900)などを編纂。〈Q〉の筆名で《トロイの町》(1888),《星の舟》(1897)などの童話,故郷コーンウォールに取材した《短編選集》(1921)を発表。1897年には友人R.L.スティーブンソンの未完の《セント・アイブズ》を完成させた。
執筆者:出淵 博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報