日本大百科全書(ニッポニカ) 「クサフジ」の意味・わかりやすい解説
クサフジ
くさふじ / 草藤
[学] Vicia cracca L.
マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎はつる状で、長さ1.5メートル。葉は18~24枚の小葉をつけ、先端は分枝する巻きひげとなって他物に絡む。小葉は狭卵形、長さ1~3センチメートル。5~9月、葉腋(ようえき)の長い総状花序に、青紫色で長さ約1センチメートルの蝶形花(ちょうけいか)が密にやや一方に偏ってつく。萼(がく)はやや小さく、萼片は不同長で萼筒より短い。豆果は2~6個の種子を含み、長楕円(ちょうだえん)形で長さ2~3センチメートル、短柄がある。北海道、本州、九州の山野の草地や林縁に生え、北半球の温帯から亜寒帯に広く分布する。
[立石庸一 2019年10月18日]