クトゥブモスク(英語表記)Quṭb Mosque

改訂新版 世界大百科事典 「クトゥブモスク」の意味・わかりやすい解説

クトゥブ・モスク
Quṭb Mosque

ニューデリー南郊にあるインド現存最古イスラム建築。12世紀末に北インドを征服したクトゥブッディーン・アイバクが1192-98年に創建し,以後1世紀あまりの間に2度拡張され,現在ではかなり荒廃している。当初の部分の南東に建つクトゥブ・ミナールQuṭb-Minārは,やはりクトゥブッディーンにより創建されたインド最大・最古のミナレット尖塔)で,基部の直径14.3m,高さ72.5m。内部螺旋階段を備え,外観は5層よりなり各層にバルコニーをつけている。赤色砂岩製の下3層が創建時のもので,白大理石を用いた上2層は1368年の改築
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クトゥブモスク」の意味・わかりやすい解説

クトゥブ・モスク
Qutb Mosque

北インドを征服した将軍クトゥブ・ウッディーン・アイバクが 1200年頃デリーの都城内に創建した大モスクで,クッバ・アル・イスラーム (イスラムの力) とも呼ぶ。現存するインド最古のイスラム建築。ヒンドゥー教寺院を破壊し,その跡に転用材を用いてつくられ,当初は横幅およそ 46m,奥行およそ 65mの単純な長方形設計であったが,のち 1295~1315年にかけてなど2度にわたり増築され,南北約 230m,東西約 140mの規模になった。 1993年クトゥブ・ミナールとともに世界遺産の文化遺産に登録。

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世界大百科事典(旧版)内のクトゥブモスクの言及

【インド美術】より

… インドにイスラムが影響を及ぼし始めるのは8世紀初期であるが,その建築は12世紀に本格化し,イスラムの浸透とともに各地に広まり,インドの伝統建築の影響を受けて多くの地方様式を展開させた。とくに初期のものはインド的な要素が濃く,デリーのクトゥブ・モスク(1192‐98創建)はアラビア風の配置になりイラン建築の影響も見られるが,ヒンドゥー教寺院の石材を転用しインド式のアーチ工法を採用している。イスラム建築には会堂すなわちモスク(マスジド)や廟墓(マクバラー)のほかに,城砦(キラー)や宮殿(マハル)もある。…

※「クトゥブモスク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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