クリヤンガ(読み)くりやんが(英語表記)Ion Creanga

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリヤンガ」の意味・わかりやすい解説

クリヤンガ
Creangǎ, Ion

[生]1837.3.1. モルドバ,フムレシュチ
[没]1889.12.31. ヤシ
ルーマニアの作家。農家に生れ,神学校に学んで補祭となったが,のち,小学校の教師となった。モルドバの首都ヤシの文学サークルで詩人 M.エミネスクの友人となり,そのすすめで創作民話を書き,1875~79年に『白い黒んぼ』 Harap Alb,『姑と3人の嫁』 Soacra cu trei nuroriなどの民衆の言葉を豊かに駆使した民話を発表。 81~83年の間に自叙伝幼年時代思い出』 Amintiri din copilǎrieを雑誌に寄稿。ユーモラスな語り口農村の人々の生活と主人公のおいたちを描いたこの作品はルーマニア人の愛読書となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリヤンガ」の意味・わかりやすい解説

クリヤンガ
くりやんが
Ion Creanga
(1837―1889)

ルーマニアの民話作家。詩人エミネスクの勧めで民話を書き始める。色彩豊かなモルドバ方言を駆使して『三匹の子ヤギ』(1875)、『豚の話』(1876)、『ハラプ・アルブ物語』(1877)など、今日もなおルーマニアの子供たちに愛読されている創作民話を書いた。ほかに、ユーモアに満ちた未完の自叙伝『幼年時代の思い出』(1880~81)は、当時の農村の人々の姿を生き生きと描いた傑作である。

[直野 敦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カスハラ

カスタマー(顧客)とハラスメント(嫌がらせ)を組み合わせた造語「カスタマーハラスメント」の略称。顧客や取引先が過剰な要求をしたり、商品やサービスに不当な言いがかりを付けたりする悪質な行為を指す。従業...

カスハラの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android