日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロッケー」の意味・わかりやすい解説
クロッケー
くろっけー
croquet
球技の一種。クロケ、クローケーとも発音される。15世紀ころフランスで始まり、17世紀にイギリスに伝わった。当初イギリスではペルメルpall-mallとよばれていたが、1861年にフランス人J・ジャックが指導書を英語出版し、クロッケーの名称が定着した。イギリス連邦諸国でおもに行われるが、フランスとは多少ルールを異にする。アメリカではクロッケーから発達したロークroqueが行われている。競技法は、約32メートルと25.5メートルの長方形の芝生に6個の柱門(フープ)と標柱(ペグ)を立て、木槌(きづち)(マレー)によって木製やプラスチック製の球を打ち、規定の順の柱門を通過させ最後の標柱に当てる早さを往復で競う。2名から8名が2チームに分けられ、それぞれが黒、青、赤、黄色の木槌と球をもつ。実際のルールはかなり複雑で、頭脳的なプレーを要求される。日本のゲートボールの原型である。
[石井恒男]