クロッケー(読み)くろっけー(英語表記)croquet

翻訳|croquet

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロッケー」の意味・わかりやすい解説

クロッケー
くろっけー
croquet

球技の一種。クロケ、クローケーとも発音される。15世紀ころフランスで始まり、17世紀にイギリスに伝わった。当初イギリスではペルメルpall-mallとよばれていたが、1861年にフランス人J・ジャックが指導書を英語出版し、クロッケーの名称が定着した。イギリス連邦諸国でおもに行われるが、フランスとは多少ルールを異にする。アメリカではクロッケーから発達したロークroqueが行われている。競技法は、約32メートルと25.5メートルの長方形芝生に6個の柱門(フープ)と標柱ペグ)を立て、木槌(きづち)(マレー)によって木製やプラスチック製の球を打ち、規定の順の柱門を通過させ最後の標柱に当てる早さを往復で競う。2名から8名が2チームに分けられ、それぞれが黒、青、赤、黄色の木槌と球をもつ。実際のルールはかなり複雑で、頭脳的なプレーを要求される。日本のゲートボール原型である。

[石井恒男]

その後の動き

日本においては1983年(昭和58)に日本クロッケー協会が設立され、国営昭和記念公園内につくられたコートを拠点にさまざまな普及活動を行った。国際的には各国協会の連合組織である世界クロッケー連盟に加盟し、世界選手権への選手派遣や国際交流等の活動を実施している。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロッケー」の意味・わかりやすい解説

クロッケー
croquet

4個の色違いの木製ボールをマレー (木槌) で打ち,一定の順に配置されたフープ (球門) を通過させ,所定の位置に設けられた1ないし2個のペグ (標柱) に当てて得点を競う競技。 13世紀初頭フランスのラングドックで行われていたパイユマイユ Paille-mailleがその起りといわれる。 1850年代にはイギリスで,また 70年頃にはアメリカで人気のあるスポーツの1つとなった。競技では味方と相手が交互に打ち,フープを通過させる (1点) と続けて打つことができ,相手のボールに当てるとさらに2回打てる。イギリスとアメリカではルール,フープとペグの配置が異なる。ゲートボールの原型といわれるが,定かではない。

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