日本大百科全書(ニッポニカ) 「フープ」の意味・わかりやすい解説
フープ
ふーぷ
hoop
本来は、金属、木などでつくられた円形の枠のことであるが、女性のスカートを広げるために用いる腰枠を総称していう。詰め物、鯨のひげ(鯨骨ともいう)、籐(とう)、スチール、その他の固い材料でつくられる。女性の服飾流行には、ルネサンス時代以降、繰り返しフープを用いてスカートを膨らませるデザインが登場したが、時代によってその呼称、形状、シルエットはさまざまである。代表的なものとしては、16世紀のベルチュガダン(英語ではファージンゲール)、18世紀のパニエ、19世紀中期に大流行したクリノリンなどがあり、それぞれベル形、前後が平らで左右に極端に張り出した形、扇形などのシルエットを形づくった。
[深井晃子]