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鉄門 てつもんIron Gate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鉄門
てつもん
Iron Gate

ルーマニアと,セルビアとの国境の南東部,南カルパート山脈バルカン山脈とに挟まれたドナウ川の峡谷。ルーマニア語ではポルツィーレデフィエル Portile de Fier,セルボ=クロアチア語ではグボズデナブラータ Gvozdena Vrata。全長約 3km,幅約 162m。ルーマニア南西部の河港都市オルショバとドロベタトゥルヌセベリンとの間に位置する。かつては,岩礁が多いうえ流れが非常に激しく,ドナウ川航行の最大の難所とされたが,1964~72年下流にヨーロッパ最大の規模をもつ鉄門ダムが旧ユーゴスラビア,ルーマニア両国によって建設され,年間計 9000万tの貨物船の通行が可能になった (従来は年間 1800万t) 。ダムは長さ 1278m。発電所は出力約 200万 kW。工期8年を要したこの大規模ダムは,その上流のカザン峡谷 (幅 132m,水深 80m,両側の岩壁の高さ約 800m) などとともに新しい観光名所となっている。

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デジタル大辞泉の解説

てつ‐もん【鉄門】


鉄製の門。堅固な構えをした門。
地獄の門。
「冥官獄卒を責むる時、即ち本の形にして―より出せり」〈私聚百因縁集・一〉

中央アジア、サマルカンドとトハリスタンとの間にある狭く険しい道。唐の玄奘(げんじょう)がインドへ赴く途中ここを通り、左右の岩石が鉄色を帯び、鉄の扉があったところから名づけたという。鉄門関。
セルビア‐モンテネグロとルーマニアとの国境にあるドナウ川の峡谷。トランシルバニア山脈の南西端を横切る所にある。

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百科事典マイペディアの解説

鉄門【てつもん】

ルーマニアとセルビアの国境,トランシルバニア・アルプスとバルカン山脈の境界部分にドナウ川が形成した峡谷。最狭部の川幅は約150m。1971年ルーマニア,ユーゴ両国共同の鉄門ダムが完成。
→関連項目ドナウ[川]

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大辞林 第三版の解説

てつもん【鉄門】

ウズベキスタン共和国のサマルカンドとトハリスタンとの間にある狭く険しい道。インドに至る要害で、両側の崖が鉄色を帯び、鉄の門を設けてあった。630年頃唐の玄奘げんじようはこの道を通ってインドに入った。長さ3キロメートル。
〔Iron Gate〕 ルーマニアとセルビアの国境で、ドナウ川がトランシルバニア山脈の西端部を貫くところに形成された峡谷。長さ3キロメートル。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鉄門
てつもん
Iron Gate

セルビアとルーマニアの国境にあるドナウ川の峡谷。トランシルバニア・アルプスの西端にあたる。その長さは約3.2キロメートルで、幅も狭く、急流に悩まされて古くは航行が妨げられた。1890~96年に新水路が設けられ、いまではオーストリアまで汽船が上れる。ヨーロッパでも最大級の水力発電用ダムがある。[三井嘉都夫]

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世界大百科事典内の鉄門の言及

【トゥルヌ・セベリン】より

…ローマ時代の古名ドロベタDrobetaを冠し,ドロベタ・トゥルヌ・セベリンDrobeta‐Turnu Severinが正称である。ドナウ川が西カルパチ山脈を横断する地帯を〈鉄門〉といい,峡谷をつくり川は急流をなしていたが,1971年,鉄門地帯にユーゴスラビアと共同でドナウ川最大の鉄門ダムが造られ,鉄門湖が完成した。トゥルヌ・セベリンはこの鉄門ダムの下流8kmに位置する。…

【ドナウ[川]】より

…西カルパチ山脈とスターラ・プラニナ山脈の間の峡谷部は,ルーマニア・ユーゴスラビア国境をなし,平野から山岳地域の景観へと変化する。ハンガリー大平原における1~2kmの川幅が,この130kmの峡谷部では100~150mにまで狭まる個所があり,〈鉄門〉と呼ばれる観光名所となっている。流速も平野部の0.3~1.1m/秒から2.2~4.7m/秒と速くなり,水深は最大54mにも達する。…

※「鉄門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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