デジタル大辞泉
「鉄門」の意味・読み・例文・類語
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てつ‐もん【鉄門】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 鉄で作った門。また、堅固な構えをした門。また、地獄の門をさしていうこともある。
- [初出の実例]「冥官獄卒を責むる時、即ち本の形にして鉄(テツ)門より出せり」(出典:私聚百因縁集(1257)一)
- [その他の文献]〔魏志‐公孫瓚伝・裴注〕
- [ 2 ]
- [ 一 ] 中央アジアのサマルカンドとトハリスタンとの間にあるけわしい道路。インドに至る要路にあたり、六三〇年頃、中国、唐の玄奘三蔵がインドへの仏教研究の道中、ここを通った時、左右の岩石が鉄色を帯びており、鉄の扉があったところから、この名をつけたという。鉄門関。
- [ 二 ] セルビア・モンテネグロとルーマニアの国境にある、ドナウ川中流のけわしい水路。トランシルバニア‐アルプスの南西端をドナウ川が横切るところで、峡谷を形成する。ドナウ川最大の鉄門ダムがある。アイアンゲート。
くろがね‐もん【鉄門】
- 〘 名詞 〙 鉄製の門。てつもん。
- [初出の実例]「くゐなのたたくてれつくてんてん 月涼しくろがね門を明てより 鬼のしはぶきみつよつ五」(出典:俳諧・破邪顕正返答(1680))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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鉄門
てつもん
Iron Gate
ルーマニアと,セルビアとの国境の南東部,南カルパート山脈とバルカン山脈とに挟まれたドナウ川の峡谷。ルーマニア語ではポルツィーレデフィエル Portile de Fier,セルボ=クロアチア語ではグボズデナブラータ Gvozdena Vrata。全長約 3km,幅約 162m。ルーマニア南西部の河港都市オルショバとドロベタトゥルヌセベリンとの間に位置する。かつては,岩礁が多いうえ流れが非常に激しく,ドナウ川航行の最大の難所とされたが,1964~72年下流にヨーロッパ最大の規模をもつ鉄門ダムが旧ユーゴスラビア,ルーマニア両国によって建設され,年間計 9000万tの貨物船の通行が可能になった (従来は年間 1800万t) 。ダムは長さ 1278m。発電所は出力約 200万 kW。工期8年を要したこの大規模ダムは,その上流のカザン峡谷 (幅 132m,水深 80m,両側の岩壁の高さ約 800m) などとともに新しい観光名所となっている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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鉄門
てつもん
Iron Gate
セルビアとルーマニアの国境にあるドナウ川の峡谷。トランシルバニア・アルプスの西端にあたる。その長さは約3.2キロメートルで、幅も狭く、急流に悩まされて古くは航行が妨げられた。1890~96年に新水路が設けられ、いまではオーストリアまで汽船が上れる。ヨーロッパでも最大級の水力発電用ダムがある。
[三井嘉都夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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鉄門【てつもん】
ルーマニアとセルビアの国境,トランシルバニア・アルプスとバルカン山脈の境界部分にドナウ川が形成した峡谷。最狭部の川幅は約150m。1971年ルーマニア,ユーゴ両国共同の鉄門ダムが完成。これにより閘門(こうもん)式の舟航運河が作られ,ヨーロッパ最大の水力発電所が設置された。
→関連項目ドナウ[川]
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普及版 字通
「鉄門」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の鉄門の言及
【トゥルヌ・セベリン】より
…ローマ時代の古名ドロベタDrobetaを冠し,ドロベタ・トゥルヌ・セベリンDrobeta‐Turnu Severinが正称である。ドナウ川が西カルパチ山脈を横断する地帯を〈鉄門〉といい,峡谷をつくり川は急流をなしていたが,1971年,鉄門地帯にユーゴスラビアと共同でドナウ川最大の鉄門ダムが造られ,鉄門湖が完成した。トゥルヌ・セベリンはこの鉄門ダムの下流8kmに位置する。…
【ドナウ[川]】より
…西カルパチ山脈とスターラ・プラニナ山脈の間の峡谷部は,ルーマニア・ユーゴスラビア国境をなし,平野から山岳地域の景観へと変化する。ハンガリー大平原における1~2kmの川幅が,この130kmの峡谷部では100~150mにまで狭まる個所があり,〈鉄門〉と呼ばれる観光名所となっている。流速も平野部の0.3~1.1m/秒から2.2~4.7m/秒と速くなり,水深は最大54mにも達する。…
※「鉄門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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