クロロクルオリン(読み)くろろくるおりん(英語表記)chlorocruorin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロロクルオリン」の意味・わかりやすい解説

クロロクルオリン
くろろくるおりん
chlorocruorin

色素タンパク質一種で、酸素運搬の機能を有する。環形動物のケヤリ類、カンザシゴカイ類の血液から1933年に発見されたが、その後いろいろの無脊椎(むせきつい)動物にあることがわかった。透過光では緑色、反射光では赤色にみえ、鉄を含むポルフィリンの一種であるクロロクルオロヘムを補欠分子団として酸素と結合するが、酸素に対する親和性ヘモグロビンより低い。また、一酸化炭素とも結合する。分子量は約2.8×106、等電点はpH4.3で、ヘモグロビンに比べてヒスチジン含量が低い。

[大岡 宏]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロロクルオリン」の意味・わかりやすい解説

クロロクルオリン
chlorocruorin

緑色のヘム蛋白質 (色素蛋白質の一種) 。海生の環形動物多毛綱 (ケヤリムシなど) の血液中に存在する。蛋白質部分はグロビンで,酸素運搬の役割を果すが,酸素との結合力はヘモグロビンより弱い。分子量は 200万~300万とされ,多数の単位分子の会合体である。

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