グアダラハラ(その他表記)Guadalajara

デジタル大辞泉 「グアダラハラ」の意味・読み・例文・類語

グアダラハラ(Guadalajara)

メキシコ中西部にある都市。ハリスコ州州都。歴史的な建物が多く「西部の真珠」とよばれる。農・鉱業の中心地。人口、都市圏394万(2008)。

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精選版 日本国語大辞典 「グアダラハラ」の意味・読み・例文・類語

グアダラハラ

  1. ( Guadalajara ) メキシコ中西部の都市。ハリスコ州の州都。一五三一年スペイン人が建設。高原地帯にあり、農業、織物・陶器の手工業、皮革加工などが盛ん。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グアダラハラ」の意味・わかりやすい解説

グアダラハラ
Guadalajara

メキシコ南西部,ハリスコ州の州都。メキシコ第2の都市。メキシコシティーの西北西約 450kmにあり,南約 50kmのチャパラ湖から流出するサンチアゴ川の左岸河谷に位置する。メキシコ高原の南西端部にあたり,標高約 1550m。6~9月中旬の雨季を除き,気候は乾燥し,温和。 1531年建設され,インディオの奴隷狩りの中心地となった。そのためしばしばインディオとの抗争が起こり,最初の 10年間に数回移転した。 1810年メキシコ独立運動の指導者 M.イダルゴ・イ・コスティリャが占領し,奴隷制廃止を発令した。トウモロコシ栽培と牧畜を中心とした広大な農業地帯の商業中心地として繁栄するとともに,1940年以降工業が急速に発達し,メキシコ有数の工業都市となっている。主要工業は繊維,製靴,化学,建設資材,たばこ,清涼飲料などで,ガラス製品,皮細工,陶器,銀・銅細工,手織りなどの手工業も盛ん。市内には 1618年に建造された大聖堂をはじめとする 50以上の聖堂があり,メキシコにおける最も優れたスペイン建築の一つといわれる知事邸,デゴヤド劇場など美しい建築物も多い。また現代メキシコの代表的画家 J. C.オロスコが一時制作活動を行なった地で,知事邸の壁画をはじめ,市内各地にその作品がある。その一つ,オスピシオ・カバーニャスは 1997年世界遺産文化遺産に登録。グアダラハラ大学 (1792) とグアダラハラ自治大学 (1935) の所在地アメリカ合衆国との国境の町ノガレスとメキシコシティーを結ぶ幹線道路,鉄道が通る。近郊に国際空港がある。人口 162万 8617 (1990推計) 。

グアダラハラ
Guadalajara

スペイン中部,カスティリア・ラマンチャ州,グアダラハラ県の県都。マドリード北東約 50km,エナレス川左岸に位置する。典型的な大陸性気候であるが,周辺には養蜂で有名な肥沃なアルカリア平原が広がり,コムギ,オオムギライムギブドウオリーブなども栽培される。中世には羊毛取引の中心として知られ,また 15~17世紀はメンドサ公領の首都となった。公の居館 (1461着工) の一部が残されている。マドリードとサラゴサを結ぶ鉄道が通る。人口6万 2943 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グアダラハラ」の意味・わかりやすい解説

グアダラハラ(メキシコ)
ぐあだらはら
Guadalajara

メキシコ中西部、ハリスコ州の州都。メキシコ中央高原西部の標高1567メートル、サンティアゴ川上流域に位置する。メキシコ第二の都市で、人口164万6183(2000)。太平洋岸への交通の要衝で機械・金属・繊維工業が発達し、周辺の農業地域の中心地でもある。1542年に建設され、今日も植民地時代の寺院、広場、市場、公園が多く残り、「西部の真珠」の美称がある。市内には、スペインの画家ムリーリョの名作『聖母マリアの昇天』のあるカテドラル、メキシコの画家オロスコの有名な壁画のある政庁とカバーニャス孤児院、メキシコ最大のデゴリヤード劇場などがある。また、マリアッチ広場では民族音楽マリアッチの演奏が一日中聞ける。近郊には、マリアッチ発祥の地といわれ、陶器・手吹きガラスなどの手工芸品で有名なトラケパケTlaquepaque、トナラ焼き(陶器)で知られるトナラTonalá、テキーラ酒の産地のテキーラTequilaなどの観光地がある。

[高木秀樹]

世界遺産の登録

市内のカバーニャス孤児院が1997年「グアダラハラのオスピシオ・カバーニャス」として、近郊のテキーラが2006年「リュウゼツラン景観と古代テキーラ産業施設群」としてユネスコ(国連教育科学文化機関)により世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。

[編集部]


グアダラハラ(スペイン)
ぐあだらはら
Guadalajara

スペイン中央部、カスティーリャ・ラ・マンチャ地方グアダラハラ県の県都。人口6万8248(2001)。マドリードの東方約55キロメートル、エナレス川の左岸、標高685メートルの高原に位置する。ローマ時代に植民都市アリアッカArriacaとして存在したが衰え、その後イスラム教徒が占領し、Uad-el-Hajarah(石の小川)とよんだ。1085年スペインが奪回、15~17世紀にはインファンタド公の宮殿を中心に栄えた。1936~39年のスペイン内戦時には戦禍を被り宮殿も焼失したが、現在は完全に再建されている。マドリード―バルセロナ間の鉄道が通り、マドリードの衛星都市として発展しつつある。鉄道の修理工場、セメント工場がある。

[田辺 裕・滝沢由美子]

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改訂新版 世界大百科事典 「グアダラハラ」の意味・わかりやすい解説

グアダラハラ
Guadalajara

メキシコ中西部,ハリスコ州の州都。同国第2の都市で,大都市域人口394万4094(2003)。標高1589m。夏の雨季(7~9月)を除き温暖で乾燥している。北東部にサンチアゴ川が流れる肥沃な農業地域であるアテハマク盆地の中心地で,農産加工をはじめ各種の近代工業が発達。市街は1541年現在の地に建設され,マヨール広場を中心に碁盤目状に計画された道路とその並木が美しい都市景観をつくりだしている。メキシコ唯一のゴシック建築である大聖堂(1561-1618)やバロック様式の粋を集めたサンタ・モニカ教会(1718)等の歴史的建造物も多く,同市は〈西部の真珠〉と形容される。周辺には,内陸湖チャパラ,伝統的陶芸産地のトナラやトラケパケがあり,加えて当地はマリアッチ音楽の本場,テキーラの産地でもある。政庁(1643)やグアダラハラ大学にはオロスコの壁画がみられる。
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グアダラハラ
Guadalajara

スペイン中部,新カスティリャ地方の同名県の県都。人口6万8571(1982)。1507年に完成されたインファンタード公の館は,プラテレスコ様式の代表的建築物である。グアダラハラ県は中央山脈へ続く山々が横断し,林業が盛んで,特産品のラ・アルカリアはちみつは品質がよい。内戦最中の1937年春,首都マドリードと東部戦線の分断を意図したフランコ側の国民戦線軍(イタリア軍部隊)と共和国軍がこの地で激烈な戦いを展開した。共和国側の防御は堅く,そのため国民戦線軍のマドリード攻略は内戦の最終段階に持ちこされた。
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百科事典マイペディア 「グアダラハラ」の意味・わかりやすい解説

グアダラハラ

メキシコ中西部,ハリスコ州の州都。同国第2の都市で,標高1550mの高原に位置し,肥沃な農業地域の中心である。1541年に創設。植民地時代の聖堂,教会,修道院などの建造物が保存されており,オスピシオ(施療院)・カバーニャスは1997年世界文化遺産に登録された。マリアッチ音楽,テキーラなどの本場である。149万5182人(2010)。
→関連項目マンサニヨ

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世界大百科事典(旧版)内のグアダラハラの言及

【スペイン内乱】より

…こうしたソ連の本格的なてこ入れを考慮すると,ドイツ・イタリアの援助なくしてフランコの勝利はありえなかったかもしれない。また,この戦いで現実には第二義的な役割でしかなかった共和国政府軍の〈リンカン部隊〉がアメリカの特派員によって,また,国民戦線を支援したイタリア軍部隊のグアダラハラ侵攻作戦の失敗が,ルイジ・ロンゴとピエトロ・ネンニのおおげさな叙述によって神話化されるにいたる。 1937年4月,国民戦線陣営では,戦いの勝利へ向けて諸政治勢力がフランコを党首として結束し,国民運動と称する統一党を創立した。…

【副王制】より

… 16,17世紀には二つの副王領しか存在しなかった。1535年に創設されたメキシコ市を主都とするヌエバ・エスパニャ副王領は現在の北アメリカの南部とメキシコ,それにパナマを除く中央アメリカ全域とアンティル諸島およびベネズエラの沿岸地方を含み,その領土内にはサント・ドミンゴ,メキシコ市,グアダラハラとグアテマラのアウディエンシアがあった。いまひとつは1543年に設置されたペルー副王領で,パナマのほか,ベネズエラ沿岸地方を除く南アメリカ全域を包摂し,リマを主都とした。…

※「グアダラハラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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