改訂新版 世界大百科事典 「グミリョーフ」の意味・わかりやすい解説
グミリョーフ
Nikolai Stepanovich Gumilyov
生没年:1886-1921
ロシアの詩人。ペテルブルグ大学に学び,1902年から文筆活動にはいる。13年にゴロデツキーと〈アクメイズム〉を宣言。その詩風は明晰さ,華麗さ,高揚した気分に特長があり,ときに異国趣味におぼれ,現代性に欠けるところがあるが,きわめて優れた詩人であったことは否定できない。21年に反革命の陰謀に参加したとして銃殺されて以来,第2次大戦後の〈雪どけ〉が訪れるまで黙殺されてきた。現在は一応詩人としては名誉回復されているが,事件そのものは未解決である。ソルジェニーツィンは《収容所群島》の中で事件そのものがでっち上げであったことを,グミリョーフの妻であったアフマートワの証言をあげて明らかにした。代表詩集《征服者の道》(1905),《ロマンティックな花々》(1908),《真珠》(1910),《異国の空》(1912),《かがり火》(1918)のほか,短編集《シュロの影》(1922),評論集《ロシア詩に関する書簡》(1923)がある。
執筆者:木村 浩
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報