改訂新版 世界大百科事典 「グロッバ」の意味・わかりやすい解説
グロッバ
Globba
東南アジアからマレーシア地域に約80種を産するショウガ科の小型な多年草。根茎はそれほど太くならず,それから高さ30~100cmの葉鞘(ようしよう)が巻き重なった偽茎を出す。葉は2列互生,葉身は長楕円形から披針形。花は偽茎の頂端から出る円錐状または総状の花序に多数つき,黄色,橙色,あるいは白や赤色,時に紫色を帯びる。花序にむかごを生じる種がある。
東南アジアからマレーシア地域では川岸のやや湿った場所や林床に普通に見られ,多数の種が記載されている。花が美しいだけでなく,葉もきれいな種がいくつかあり,観賞用に栽植もされるが,高温と多湿を必要とする。また,いくつかの種が東南アジアやマレーシア地域で民間薬として利用されるが,重要ではない。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報