化学辞典 第2版 「ケラタン硫酸」の解説
ケラタン硫酸
ケタランリュウサン
keratan sulfate
ケラト硫酸ともいう.N-アセチル-D-グルコサミンの C4 位にβ-D-ガラクトースが,またD-ガラクトースの C3 位にN-アセチル-D-グルコサミンが,互いにβ-グルコシド結合したポリマーを主成分とするグリコサミノグリカンの一種.硫酸基はグリコサミンの C6 位に結合する.軟骨または硬骨のケラト硫酸は上記構成成分のほかに少量のフコース,シアル酸,ガラクトサミンも含む.生体組織中ではタンパク質と結合し,ガラクトサミンを介してセリンまたはトレオニンとグリコシド結合する(ケラタン硫酸Ⅱ)か,グルコサミンを介してアスパラギンまたはグルタミンとN-グルコシルアミン結合(ケラタン硫酸Ⅰ)をしている.硫酸基1.5~2分子を含むものをケラトポリ硫酸という.組織中ではコンドロイチン硫酸と共存している場合が多い.角膜中では全グリコサミノグリカンの約50% を占める.ヒト,ウシなどの髄核や椎間板,ヒトの動脈,ほ乳動物の肋軟骨,ウシ,クジラの鼻軟骨,サメ,そのほかの軟骨に含まれる.エタノール50~60% で沈殿.+4.5~10°.分子量5~20×103.固有粘度0.2~0.5.[CAS 9065-36-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報