ケラトアカントーマ(読み)けらとあかんとーま(その他表記)Keratoacanthoma

家庭医学館 「ケラトアカントーマ」の解説

けらとあかんとーま【ケラトアカントーマ Keratoacanthoma】

[どんな病気か]
 中年以降の人の顔面にできることが多い、直径2cmほどの腫瘍(しゅよう)です。中央に硬い角質(かくしつ)がつまっており、皮膚表面から突き出しています。良性腫瘍ですが、一定の大きさまで急速に増大するため、悪性腫瘍との鑑別がむずかしく、診断には専門医の診察が必要です。この腫瘍は、一定の大きさになると徐々に縮小し、自然に消えることもあります。
 局所麻酔をして、腫瘍の全部、もしくは一部を切除し、標本をつくって病理検査したうえで診断します。有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)がんとの区別をするためです。
[治療]
 腫瘍が小さいときは、局所麻酔後に全部を切除します。大きな腫瘍で、自然縮小しないものには放射線照射を行なうことがあります。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケラトアカントーマ」の意味・わかりやすい解説

ケラトアカントーマ
keratoacanthoma

中心へそ (陥没) があって,急速に発育して直径1~2cmに達する腫瘍。半球状の表面は平滑である。顔面や手背に好発し,のちに潰瘍化して小さな瘢痕を残して自然治癒する。組織学的所見では,増殖期には角化傾向の強い有棘細胞癌との鑑別が困難なことがある。また,消失期には皮表と連絡を有する角質嚢腫様を呈する。したがって,本症は最も代表的な偽癌 pseudocarcinomaとみなされている。

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