コアジサイ(読み)こあじさい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コアジサイ」の意味・わかりやすい解説

コアジサイ
こあじさい / 小紫陽花
[学] Hydrangea hirta (Thunb.) Sieb. et Zucc.

ユキノシタ科(APG分類:アジサイ科)の落葉低木。別名シバアジサイ。高さ1~1.5メートル。下部でよく分枝し、若枝は紫褐色。葉は対生し、倒卵形で長さ5~8センチメートル、質は薄く、先はとがり、縁(へり)に鋭い鋸歯(きょし)がある。6月ころ、枝の先に集散花序をなして多数の青紫色の小花を開く。アジサイの仲間であるが、装飾花はまったくない。萼(がく)裂片は卵状三角形で5枚、花弁は長楕円(ちょうだえん)形で5枚、長さ約1.5ミリメートル。雄しべは10本、花糸は突き出て長さ約3ミリメートル。雌しべは3、4本、子房は半上位。果実は広卵形で長さ約3ミリメートル。山地木陰に生え、関東地方以西の本州四国、九州に分布する。

[若林三千男 2021年3月22日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コアジサイ」の意味・わかりやすい解説

コアジサイ(小紫陽花)
コアジサイ
Hydrangea hirta

アジサイ科の落葉小低木。シバアジサイともいう。関東地方より西の本州と四国の山地に普通にみられる。高さ 1mほどで枝は細く,若いうちは緑色である。葉は柄があって対生し,長さ 5~8cmの膜質の倒卵形または広楕円形で,粗い鋸歯がある。初夏の頃,枝の先端に上面の平らな散房花序を生じ,淡碧色の細かな両性花を多数密につける。萼片,花弁とも 5枚で非常に小さい。他のアジサイ類にみられるような大きな装飾花はない。

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