金子光晴(みつはる)の詩集。1923年(大正12)7月、新潮社刊。1919年から20年にかけてベルギーに滞在、向日的で規則正しい生活をしたころの所産。自序に「余は、再びあひ難かつた、幼(おさな)時代の純真と、放胆と、虚栄(ブアニテ)に依(よ)つて、此(この)期間、専心自身の肖像(ポルトゥレー)を画(か)き続けた」というように、日本を離れることによって、内観した日本美の収集であり、自叙伝の試みであった。詩人の飯島耕一は「『こがね虫』の金子は、その虚(むな)しさをあげて、『夢』にふりむけた。『こがね虫』は圧倒的に夢みる精神の所産であり、夢みられた生命の礼拝堂における祈りの書である」(薔薇(ばら)と地獄のあいだ)という。耽美(たんび)的な側面を鮮やかに示す高踏詩集である。
[首藤基澄]
『『こがね虫』(1970・名著刊行会)』
二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月節 (12月前半) のことで,太陽の黄経が 285°に達した日 (太陽暦の1月5日か6日) に始り大寒 (1月 20日か 21日) の前日までの約 15日間...