コスケンニエミ(その他表記)Veikko Antero Koskenniemi

改訂新版 世界大百科事典 「コスケンニエミ」の意味・わかりやすい解説

コスケンニエミ
Veikko Antero Koskenniemi
生没年:1885-1962

フィンランド詩人。独・仏・北欧文学,とくにショーペンハウアーキルケゴールに親しみ,フランス高踏派を思わせる,決然として含蓄の深い思想詩を残した。生・死・運命などを悲観的に詠んだ初期作品は,西欧象徴主義の流れを汲む。1940年代以後,極端なロマン主義に陥り見るべき作品は少ない。《心と死》(1919),《鶴の群翔》(1930),《火と灰》(1936)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コスケンニエミ」の意味・わかりやすい解説

コスケンニエミ
Koskenniemi, Veikko Antero

[生]1885.7.8. オウル
[没]1962.8.4. トゥルク
フィンランドの近代詩を開いた抒情詩人。トゥルク大学の文学教授,学長を歴任。アカデミー会員。フランス,ドイツ,北欧文学に精通し,ショーペンハウアー,キルケゴールに親しみ,人間の存在,生と死などの人生哲学をペシミスティックに歌い,その作風は高踏派を思わせる。 1940年代以後は愛国的保守主義に傾倒し,みるべき作品は少い。代表作『心と死』 Sydän ja kuolema (1919) ,『鶴の群翔』 Kurkiaura (30) ,『火と灰』 Tuli ja tuhka (36) ,『詩集』 Runoja (06,24) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コスケンニエミ」の意味・わかりやすい解説

コスケンニエミ
こすけんにえみ
Veikko Antero Koskenniemi
(1885―1962)

フィンランドの詩人。ドイツ、フランス、北欧文学、とくにショーペンハウアー、キルケゴールに親しみ、決然とした含蓄のある思想詩がフランスの高踏派(パルナッス)を思わせ、この国の近代詩を開いた。生・死・運命を悲観的にとらえた短詩群は西ヨーロッパ象徴主義の流れをくんでいる。1940年代以後ロマン主義に陥り、みるべき作品は少ない。主要作品として『心と死』(1919)、『鶴(つる)の群翔(ぐんしょう)』(1930)、『火と灰』(1936)などがある。

高橋静男]

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