オウル(読み)おうる(英語表記)Oulu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オウル」の意味・わかりやすい解説

オウル
Oulu

フィンランド中部,オウル県の県都。ボスニア湾に注ぐオウル川の河口に位置する。中世から交易の中心として繁栄し,1610年には都市として勅許された。 1822年に大火にあい一時廃虚と化したが,商港の機能を発揮して木タール輸出を専有した。 19世紀の後半にいたって,再びフィンランド有数の商業中心地となった。クリミア戦争,第2次世界大戦で港湾機能は麻痺状態となったが,これがかえって港湾施設を近代化する契機ともなった。現在産業活動は活発で,木材・セルロース加工,造船製粉漁業,皮革加工などが盛ん。市を流れる急流は水力発電用として利用され,県都オウルを中心とする工業の絶好の立地条件となっている。フィンランド北・中部地帯の一大交通中心地。 1959年に創設された世界最北の総合大学がある。人口 10万 2032 (1992推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オウル」の意味・わかりやすい解説

オウル
おうる
Oulu

フィンランド北部の都市。第二次世界大戦後、国内最大の電源地帯となったオウル川が、ボスニア湾に注ぐ河口に発達した北部ポヒャンマーの中心都市。人口12万3274(2001)。古くからタールの輸出などで重要な港市であり、スウェーデン語ではウレオボルイUleåborgとよばれる。周辺の農林業に基づく製材製紙、食品などのほかに、電力依存度の大きい金属、化学工業の発達によって、戦後、人口は倍増した。行政、商業の中心であり、北部唯一の総合大学もある。

[塚田秀雄]

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