コナカイガラムシ(読み)こなかいがらむし(英語表記)mealy bugs

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コナカイガラムシ」の意味・わかりやすい解説

コナカイガラムシ
こなかいがらむし / 粉貝殻虫
mealy bugs

昆虫綱半翅(はんし)目同翅亜目コナカイガラムシ科Pseudococcidaeの昆虫の総称。雌成虫は硬いろう質などで覆われることなく、軟らかい白ろうなどの分泌物に覆われる。この点でほかのカイガラムシ類と区別される。幼虫は2齢以降も動き回るものが多い。クワコナカイガラムシミカンコナカイガラムシオオワタコナカイガラムシなど著名な害虫が多い。これらの防除には、農薬のほかに、天敵である寄生バチを世界各国で用いている。日本では、クワコナカイガラムシに対して、有力な天敵であるクワコナカイガラヤドリバチを多数放し飼いし、生物農薬として利用している。これはクワコナバチという生物農薬名で登録され、市販もされている。

[林 正美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コナカイガラムシ」の意味・わかりやすい解説

コナカイガラムシ
Pseudococcidae; mealybug

半翅目同翅亜目コナカイガラムシ科に属する昆虫の総称。体は白色,粉状の軟らかいろう質分泌物でおおわれ,2齢幼虫を過ぎても歩行するものが多い。体長は 1.5~8mmであるが,3mm程度のものが普通。一般に雌成虫は楕円形で,短い肢部と触角があり歩行できるが,一部のものでは肢部は退化消失する。虫体は刺激されると,赤色ないし橙色体液を分泌する。クワコナカイガラムシ Pseudococcus comstocki,オオワタコナカイガラムシ Phenacoccus perganderi,ミカンコナカイガラムシ Planococcus citriなど,害虫として知られるものが多くある。防除には,薬剤のほか,天敵の寄生バチを人工的に増殖して使用することがある。 (→同翅類 , 半翅類 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android