日本大百科全書(ニッポニカ) 「コナカイガラムシ」の意味・わかりやすい解説
コナカイガラムシ
こなかいがらむし / 粉貝殻虫
mealy bugs
昆虫綱半翅(はんし)目同翅亜目コナカイガラムシ科Pseudococcidaeの昆虫の総称。雌成虫は硬いろう質などで覆われることなく、軟らかい白ろうなどの分泌物に覆われる。この点でほかのカイガラムシ類と区別される。幼虫は2齢以降も動き回るものが多い。クワコナカイガラムシ、ミカンコナカイガラムシ、オオワタコナカイガラムシなど著名な害虫が多い。これらの防除には、農薬のほかに、天敵である寄生バチを世界各国で用いている。日本では、クワコナカイガラムシに対して、有力な天敵であるクワコナカイガラヤドリバチを多数放し飼いし、生物農薬として利用している。これはクワコナバチという生物農薬名で登録され、市販もされている。
[林 正美]