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半翅類 はんしるいHemiptera

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

半翅類
はんしるい
Hemiptera

半翅目 (カメムシ目) に属する昆虫の総称。微小ないし大型で,体形の多様化が著しく,陸生のものと水生のものとがある。食性は草食性,食虫性,吸血性,菌食性など多様。口器は有節の (口吻) で特徴的な吸収口になっている。触角は2~10節,通常4~5節であるが,まれに 25節のものもある。複眼は大きく,単眼は2~3個または欠如する。は普通2対あるが,カイガラムシの雄のように1対のものもあり,さらには無翅のものもある。腹部は2~10節で,第1節が退化するものが少くない。尾毛はないが,水生の種には呼吸管をもつものがあり,またカイガラムシの雄では尾糸をもつものがある (→水生昆虫 ) 。肢は多様化した習性に応じて変形し,カイガラムシのなかには退化しているものもある。 跗節は1~3節で,1~2個の爪をもつ。咽喉の存在の有無によって本類は異翅亜目 (咽喉がある) と同翅亜目 (咽喉を欠く) に大きく分けられる。異翅亜目 (カメムシ亜目) はカメムシアメンボグンバイムシトコジラミなどを含み,前翅が革質部 (基部) と膜質部 (先端部) に分れ,平らに背面をおおう。体表に臭腺が開口し,特有の臭気をもつ液体を分泌する。悪臭が多いが,アメンボなど,その名のように飴のような臭気を放つものもあり,多様である。同翅亜目 (ヨコバイ亜目) はセミウンカなどを含む頸吻群と,キジラミコナジラミアブラムシ,カイガラムシなどを含む腹吻群に分けられる。普通前後翅ともに膜状で同質であり,屋根形にたたまれる。頸吻群はセミ以外のものも発音器をもち,発音する。異翅亜目,同翅亜目ともに不完全変態で,全世界に6万種以上が知られており,植食性のものには農害虫が多い。なお,近年2つの亜目をレベルで扱い,異翅目 (カメムシ目) ,同翅目 (ヨコバイ目) と区別されることが多い。 (→異翅類 , 同翅類 )  

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百科事典マイペディアの解説

半翅類【はんしるい】

昆虫綱の1目。カメムシ目とも。吸収に適した有節の口吻(こうふん)をもち,翅は普通2対。不完全変態。翅全体が膜状の同翅(ヨコバイ)亜目,基部が硬化して革質になった異翅(カメムシ)亜目に大別,前者にはセミ,ウンカ,アブラムシ(アリマキ),カイガラムシ,後者にはカメムシ,アメンボ,タガメなどが含まれる。

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世界大百科事典 第2版の解説

はんしるい【半翅類】

昆虫綱半翅目Hemipteraに属する節足動物の総称。翅の質から同翅類Homopteraと異翅類Heteropteraとに分けられる。同翅類は翅が一様に同質の膜質であるのに対し,異翅類は翅の基部が革質で厚く,先端部は膜質的である。多くの異翅半翅類と一部の同翅半翅類の前翅は,革質化した基部と膜質の先端部とよりなっているところから半翅鞘(しよう)と呼ばれる。これが半翅類の名の由来である。学名も英名のhalf‐wingedもまったく同じ意味である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

半翅類
はんしるい

昆虫綱半翅目Hemipteraに含まれる昆虫の総称。準新翅群に属し、不完全変態をする。昆虫のなかでも大きな群の一つで、地球上の生物圏のあらゆる環境に広く生息する。形態上のもっとも大きな特徴は、口器が細長い管状をした口吻(こうふん)となり、そのなかに細い口針が収まることである。この口器は、口針を食物の生物体に刺し込んで、相手の体液を吸収するのに適している。
 異翅類(異翅亜目)Heteropteraは、同翅類とともに、半翅類を二分する大きな群で、カメムシ類に代表される。前ばねの基部が厚い革質、先端部は薄い膜質である。陸生のカメムシ科、ヘリカメムシ科、ナガカメムシ科などの種類は植物体から吸汁するので、農作物の重要な害虫とされることがある。サシガメ科などの種類は他の昆虫を捕食するものが多く、天敵昆虫とされる。また、トコジラミ科のトコジラミ(ナンキンムシ)はヒトから吸血する。水生のコオイムシ科、タイコウチ科などの種類は水中で生活し、他の動物を捕食している。半水生のアメンボ科の種類は、水面上で活動し、落下した昆虫などを捕食している。
 同翅類(同翅亜目)Homopteraは、前ばねが同質で膜質なのが特徴である。口吻が頭部後方下面から出ている頸吻(けいふん)群と、前脚の基節間から出ている腹吻群に分けられる。頸吻群にはセミ科、アワフキムシ科、ヨコバイ科、ウンカ科などが属し、いずれも植物体に寄生し吸汁するので、農作物の害虫とされることがある。腹吻群は、カイガラムシ科、キジラミ科、コナジラミ科、アブラムシ科に代表される。植物に寄生し植物ウイルスを媒介する種もあり、作物や園芸の重要害虫とされるものが多い。[立川周二]

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