化学辞典 第2版 「コレイン酸」の解説
コレイン酸
コレインサン
choleic acid
デオキシコール酸と種々の化合物との分子化合物の総称.とりわけステアリン酸,パルミチン酸,またはオレイン酸との分子化合物を狭義のコレイン酸とよぶ.デオキシコール酸と結合する成分をalcoholic componentとよび,脂肪酸およびそのエステル,アルコール,エーテル,炭化水素,アルカロイドがその成分となりうる.alcoholic componentの1分子に対して最高8分子のデオキシコール酸が結合し,分子化合物の安定性,溶媒に対する溶解性も種々に変化する.この性質を利用して,水に溶けやすいデオキシコール酸をコレイン酸にすることにより不溶性にすることができる.狭義のコレイン酸は,胆汁中に存在する.無色の結晶.水に不溶.アルコールまたは含水酢酸より再結晶できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報