コンガ(読み)こんが(英語表記)conga

翻訳|conga

デジタル大辞泉 「コンガ」の意味・読み・例文・類語

コンガ(〈スペイン〉conga)

中南米音楽に用いられる、手打ちの太鼓。細長い筒形の胴の上部に革を張ったもの。2本一組として、あるいは、1本だけで用いる。
キューバの民族舞曲。4分の2拍子で、シンコペーションをもったリズムが特徴。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「コンガ」の意味・読み・例文・類語

コンガ

  1. 〘 名詞 〙 ( [スペイン語] conga )
  2. キューバの民族音楽で用いられる打楽器。中をくりぬいた細長い樽形の胴の上部に牛皮を張った太鼓で、肩からつるか台上に立てるかして手でたたく。
  3. キューバの民族舞曲の一形式。四分の二拍子の陽気なリズムで列をつくって行進しながら踊る。一九三〇年代、ヨーロッパでも流行した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンガ」の意味・わかりやすい解説

コンガ
こんが
conga

ラテンアメリカ音楽で用いられる円筒形もしくは樽(たる)形の片面太鼓。元来はキューバのコンガ・ダンス(アフリカ起源の行進舞踏で、2拍子系のシンコペーション・リズムが特徴)の伴奏用楽器。1対または単体で用いられる。胴長は50~90センチメートル、膜面の直径は25~30センチメートル。初期のものは厚い皮膜を木釘(きくぎ)や金釘で胴に固定していたが、のちに金属のたがをはめ込んで張るようになり、近年では皮膜を革紐(ひも)で張り枠に縫い付け、ねじで紐を調節して膜の張力を変えられるものもみられる。打奏は、ほとんどの場合指と手のひらで行われるが、手のひらで膜面を周りから中央に向けて押さえながらたたいて、音を高くしたり、くぐもらせたりする技法が特徴的である。

[山田陽一]

 なおコンガ・ダンスの音楽も同じくコンガの名称でよばれ、1930年代の中ごろには社交ダンスにも取り入れられ、リズムが単純化されて欧米でも流行した。

[永田文夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「コンガ」の意味・わかりやすい解説

コンガ
conga[スペイン]

キューバの音楽・舞踊の名称,およびそれに用いられる打楽器。語源はアフリカの〈コンゴ〉から来ており,アフリカ中部出身の黒人たちがキューバに伝えたものと思われる。楽器は細長い樽形の太鼓で高さ70cm余,一面太鼓で底は抜けている。両膝の間にはさみ素手でたたく。踊りはカーニバルで行列して踊るもので,カウベルなどの高音打楽器を2拍子の速いテンポで細かく打ち鳴らす複雑なリズムをもつ。このリズムが,2小節ごとのシンコペーションを強調したビートに単純化され,1930年代後半にアメリカで流行した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

音楽用語ダス 「コンガ」の解説

コンガ[conga / congas(複数)]

アフリカに起源を持つキューバ系の胴の長い大型の低音ドラム。胴は木製またはファイバーグラス製。木製胴は湿度に弱いので日本には不向き。ヘッド(皮)は上側だけに張ってある。サイズ、チューニングの異なる2台~3台のコンガを並べ、ヘッドを素手で叩いて演奏し、スタンドは使わないのが正統派。サイズはヘッドの径で決まり、ふつうのサイズをコンガ、小さ目のサイズはクイント(quinto)、大き目サイズをタンバドーラ(tumbadora)という。ヘッドをショットするときリム(フチ)部分を手のひらの指の付け根で叩き、ヌケのよいトーンを出すのが基本で、反対の手でミュートやオープンの鳴りをコントロールしていろいろな音色を叩き分ける。中指をスライドさせるグリッサンド技法もある。細かい動きより落ち着いたパターンを演奏するのに向き、リズム全体を引き締め、低音を支える。

出典 (株)ヤマハミュージックメディア音楽用語ダスについて 情報

百科事典マイペディア 「コンガ」の意味・わかりやすい解説

コンガ

キューバの音楽・舞踊の名称,およびそれに用いられる細長い樽型片面太鼓。アフリカ中部出身の黒人たちが伝えたとされる。カーニバルで踊られるが,1930年代初頭のルンバ・ブームの後,ヨーロッパや北アメリカに持ち込まれ,1970年代までダンス・ホールで盛んに踊られた。太鼓は2個1組で用いられることもあり,指や手のひらを使って自在に演奏する。膜面を端から中央へ手首や肘で押し込んで音を高くする技法がよく用いられる。
→関連項目アゴゴー

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「コンガ」の解説

コンガ

アメリカのラテン・ポップ・グループ、マイアミ・サウンド・マシーンの曲。1986年に発表、全米第10位を獲得。キューバ系の音楽「サルサ」をエレクトロ・ポップ風にアレンジした曲で、ラテン・ポップスの代表曲のひとつ。原題《Conga》。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンガ」の意味・わかりやすい解説

コンガ
conga

(1) アフロ=キューバ系の民俗舞曲の一つ。4分の2拍子で一種のマーチ。コンガ・ドラムスなどで伴奏する。 (2) 中南米の音楽に用いられる民俗楽器コンガ・ドラムスの略称。木の幹をくりぬいて皮を張った大型の太鼓。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のコンガの言及

【太鼓】より

…こうした一人二役は他の地方でも行われた。 20世紀に加わったものには,小太鼓に似た片面太鼓のティンバレス,中太鼓に似たトム・トム,小さな筒形胴で手打ちのボンゴ,細長い樽形胴で手打ちのコンガなどがある。これらは2個1組で用いることが多い。…

※「コンガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android