サイマル放送(読み)さいまるほうそう(英語表記)simultaneous broadcasting

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サイマル放送」の意味・わかりやすい解説

サイマル放送
さいまるほうそう
simultaneous broadcasting
simulcast

ラジオやテレビの放送局が放送している番組を、異なる周波数チャンネルや他の放送方式で同時に放送すること。サイマルキャストともいう。同時並行の放送が可能な放送方式としては、おもにテレビ放送用に使われている地上波デジタル放送、衛星放送ワンセグ放送のほか、ラジオのAM放送FM放送短波放送などがある。インターネットなどのIPネットワークを使って配信される場合は電波利用の場合と区別し、IPサイマル放送simulcast over IPとよぶ。

 2003年(平成15)12月に地上波デジタル放送が開始されてからアナログ放送が完全停波した2011年7月24日までの間は、デジタルとアナログ放送が並行放送されるサイマル放送が日本中で行われていた(岩手宮城福島の3県は2012年3月31日にアナログ放送を終了)。また、日本放送協会(NHK)ではラジオ第1放送のおもな番組を国際放送として、短波放送と衛星ラジオ放送を通じたサイマル放送で行っている。都市部の建物の高層化、モーター無線通信などの雑音源が増えているため、とくにラジオ放送の聴取環境が悪化しており、スマートフォンパソコン、インターネット対応ラジオなどを通じたIPサイマルラジオ放送の利用が増えている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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