改訂新版 世界大百科事典 「サクララン」の意味・わかりやすい解説
サクララン
waxplant
Hoya carnosa R.Br.
ガガイモ科の常緑つる性草本で,九州南部~熱帯アジア,オーストラリアに広く自生する。葉は対生し,楕円形で,硬い多肉質で,鈍光沢がある。葉腋(ようえき)から短い花梗を伸ばし,散形花序に40~60花を球状につける。花径1.5cm,多肉質で,花冠の先は5裂し,白色,中央部は淡桃色となる。花には強い芳香がある。花色が桃色で,葉がランに似ているというので〈桜蘭〉の名があるといわれるが,ランの仲間ではない。園芸的には葉縁に黄白色斑の入るフイリサクラランcv.Variegataが多く栽培される。最近,葉の中央に斑の入るエキゾティカcv.Exoticaも普及している。斑はときに淡紅色を帯びる。へご付けや,つり鉢に仕立てるが,寄植え,テラリウムにも向く。つるを長く伸ばすと節間が長くなり花もつかないので,ときどき摘心してやる。寒さに強く,0℃くらいまで耐えるが,斑入り種は8℃以上が安全。挿木でふやす。
執筆者:高林 成年
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報