ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サツルニヌス」の意味・わかりやすい解説
サツルニヌス
Saturninus, Lucius Appuleius
[没]前100
古代ローマの政治家。前 104年財務官 (クアエストル ) ,その地位を M.スカウルスに追われ,以後,民衆派 (ポプラレス ) の代表として貴族寡頭政の攻撃を強めた。前 103年護民官 (トリブヌス・プレビス ) 。執政官 (コンスル ) の G.マリウスと提携,マリウスとともに老兵への土地賦与,パトリキ (貴族) に不利な法廷制度,無産市民を救う穀物法などを強行成立させた。一時 Q.メテルス・ヌミディクスに追放されたが,前 100年再び護民官となり,ガリア植民市建設とそれに対するマリウスの特権賦与案を決定。メテルスを追放したのち,兵士と無産市民のための植民市建設と土地配分案を提出し,翌前 99年度の護民官位を獲得したが,彼の独走を恐れたマリウスが前 100年元老院の指示により逮捕,殺害した。
サツルニヌス
Saturninus, Lucius Antonius
[没]89
古代ローマの政治家,反乱指導者。上ゲルマニアの総督であったが,89年1月モグンティアクム (現ドイツ中部) で反乱を起した。ドミチアヌス帝が鎮圧に向ったが,下ゲルマニア総督ラピウス・マクシムスが,雪どけのためゲルマン人の援護を得られなかったサツルニヌスをライン河畔で敗北させた。
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