サドビヤヌ(英語表記)Sadoveanu, Mihail

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サドビヤヌ」の意味・わかりやすい解説

サドビヤヌ
Sadoveanu, Mihail

[生]1880.11.5. パシュカニ
[没]1961.10.19. ブカレスト
ルーマニア小説家。弁護士の家庭に生れ,大学卒業後,一時ブカレストで文部省に勤めたが,文学に専心することを決意して,文芸誌『ルーマニア生活』の編集者となった。 1904年に2編の短編集と長編『鷹』 Şoimiiを発表し,以後晩年にいたるまで多くの長編,短編を書き,ルーマニア最大の小説家としての栄光を得た。代表作は『ラプシュニヤヌ通り』 Strada Lǎpuşneanu (1921) ,『アンクツァの宿』 Hanu Ancuţei (28) ,『ニコアラ・ポトコアバ』 Nicoarǎ Potcoavǎ (52) などのほか,自伝的作品もある。 60年にレーニン平和賞受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サドビヤヌ」の意味・わかりやすい解説

サドビャヌ
さどびゃぬ
Mihail Sadoveanu
(1880―1961)

ルーマニアの小説家。モルドバ地方の出身。早くから小説を書き、民衆派文芸誌『種播(ま)く人』の同人となり、1904年、『声なき悲しみ』など3冊の短編小説集、歴史小説『鷲(わし)』を発表して、文壇的地位を確立した。以後、百数十編に及ぶ中・短編小説のなかで、機械文明に抗して、自然との交流のなかに人間性を守り抜こうとする人々、資本主義化のなかで破滅する知識人などを描き続けた。多くの歴史小説もある。代表作に短編集『水の王国』(1926)、長編『斧(おの)』(1930)、長編『ニコアラ・ポトコアバ』(1952)などがある。1960年レーニン平和賞受賞。

[直野 敦]

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