さばに

精選版 日本国語大辞典 「さばに」の意味・読み・例文・類語

さばに

〘名〙 沖縄地方で使われる民俗的な小船本来丸木船であったが、近年は材料的な制約からはぎ合わせ船となる。幅の狭い細長い船型を特徴とし、櫂、または小さい帆をあげて航海する。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「さばに」の意味・わかりやすい解説

さばに

鹿児島県の吐噶喇(とから)列島から南,南西諸島各地で使われていた刳(くり)舟。奄美大島ではウバ徳之島ではイグリブネともいっていた。大きさは多様であるが,通常は長さ4.5mくらいのもので,古くは松材で造り,近代に入ってからは主として杉材で造っていたが,しだいに板舟に変わり,現在完全な刳舟は博物館でしか見られない。しかしその形はいまもイタツケとかアイノコと呼ばれる新造船に踏襲されている。漕具は櫂(かい)。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「さばに」の意味・わかりやすい解説

さばに

平底で細長い船型をもつ琉球地方独特の軽快な小船。本来は完全な丸木船であったが,今日では大木が入手できないため,普通3枚の板をはぎ合せて側板を造っている。平底の小船ながら,かなりの沖合いまで漕ぎ出して漁をしていたが,近年は船外機をつけるようになって,その行動範囲をさらに広くしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android