サブリミナル広告(読み)サブリミナルコウコク(その他表記)subliminal perception advertising

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サブリミナル広告」の意味・わかりやすい解説

サブリミナル広告
サブリミナルこうこく
subliminal perception advertising

人間の潜在意識に訴える広告。テレビ,ラジオ,劇場スクリーンなどに,知覚不可能な高速または微量のメッセージを繰り返し出し,視聴者に無意識のうちに購買行動を起こさせようとするもの。1957年にアメリカ合衆国のジェームズ・ビカリーとプレコン・プロセス・アンド・イクイップメント社が同時にこの方式実験結果を発表した。それによると,映画の上映中に 3000分の1~20分の1秒の長さの広告メッセージを 5秒間隔で流したところ観客の潜在意識に残り,ポップコーンは 5割,コカコーラは 2割の売上増をみたという。連邦取引委員会はこの手法の倫理的な問題点を指摘し,禁止措置をとった。さらにイギリスでは放送法で禁止,日本でも日本民間放送連盟が放送に適さないとの見解をまとめた。しかし実験の学術的信頼性に疑問や批判が寄せられており,その後の研究でも効果が疑われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「サブリミナル広告」の意味・わかりやすい解説

サブリミナル広告【サブリミナルこうこく】

subliminalは〈意識下の〉の意。人間の潜在意識に訴求する形式広告。テレビ,ラジオ,映画等の媒体通じ認知不可能な速度または音量でメッセージを出すことにより,〈意識されない〉広告効果を狙う手法である。1957年に米国の映画館で行われたコーラとポップコーンの実験が有名。ただし,効果の科学的実証性,倫理上の問題など,議論余地を多く残している。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android