テレビやラジオなどの民間放送事業者(民放)の公共的使命の達成を目的とする業界団体。一般放送事業者が組織している。略称は民放連。英語名The Japan Commercial Broadcasters Associationの頭文字をとってJBAともよぶ。報道・表現の自由の確保、放送倫理の維持・向上、巨大スポーツイベント開催団体との交渉取りまとめなど民放共通の問題について対処する組織である。
1951年(昭和26)にラジオ16社の任意団体として発足し、翌1952年に社団法人(公益法人)となった。2015年(平成27)4月時点で206社が会員になっている。加盟各社の加盟料で運営されている。事務局は東京都千代田区紀尾井(きおい)町にある。
報道倫理を守るため、誘拐報道、航空事故取材、集団的加熱取材(メディア・スクラム)の取扱いについて指針を定めている。NHKと共同で、第三者機関の放送倫理・番組向上機構を設け、視聴者の基本的人権を傷つけないよう放送内容を検証している。メディア規制に対しては一貫して反対している。さらに、公共的な使命を達成するため、覚せい剤撲滅キャンペーンや温暖化防止キャンペーンなども展開している。オリンピック大会やワールドカップなどの巨大スポーツイベントの放送などについても対応や交渉の取りまとめ役となり、音楽などの著作権団体との一括交渉も担っている。
[矢野 武]
日本の民間放送会社(一般放送事業者)がすべて加盟している放送事業者団体。民放連と略称。1951年7月,初めて民間放送としての予備免許を受けた16社の代表によって設立され,翌年社団法人となる。民放共通の問題を処理し,公共的使命を高揚することを目的としている。理事会の下に総務,放送法制,報道,営業,ラジオ,著作権,技術,労務,財務などの各種委員会が常設されているほか,会長直属の機関として放送基準審議会がある。放送倫理については〈民放連放送基準〉を策定して民放各社の番組・広告活動を自主的に規制し,その運用解釈については議論を集約して放送基準解説や考査事例集を作成している。また〈覚せい剤追放〉〈はたちの献血〉〈資源を大切に〉など民放の統一キャンペーンを実施している。2008年4月現在,会員は201社。
執筆者:野崎 茂
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