サントリン島(読み)サントリントウ(その他表記)Santorin

デジタル大辞泉 「サントリン島」の意味・読み・例文・類語

サントリン‐とう〔‐タウ〕【サントリン島】

Santorin》⇒サントリーニ島

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サントリン島」の意味・わかりやすい解説

サントリン島
さんとりんとう
Santorin

東地中海、エーゲ海入口のギリシア領キクラデス諸島南部にある、安山岩石英安山岩の活火山島。基盤は千枚岩、石灰岩。別名ティラ島Thíra、古代名はテラ島Thera。サントリーニ島Santoríniともいう。標高1315メートル。西に開いた三日月形で、長径約14キロメートル、面積75.8平方キロメートル。人口約8000。中心地はフィラPhira。主産業はワインと鉱石(セメントの材料)。南部のアクロティリAkrotíriは古代ミノア文明が栄えた都市遺跡で、現在は著名な観光地。アテネから空路25分、アテネとクレタ島から船便もある。火山は長い休眠後、紀元前1470年ごろ巨大噴火で多量の軽石を一挙に噴出した結果、島の中央部が陥没し、東西7キロメートル、南北11キロメートルのカルデラができ、島の残りはティラ(主島)、テラシア、アスプロニシの3島に分断された。その後、また長い休眠ののち、前197年からふたたび噴火が反復され、溶岩円頂丘や溶岩流の島(中央火口丘群)が順次生成・拡大されてきた。最新の噴火は1950年にネアカメニ島(標高131メートル)で発生し、同島では現在も噴気活動が続いている。この火山は、同じ地中海火山帯のベスビオ、エトナなどの諸火山とともに、18世紀後半から近代科学メスが入れられ、多彩な成果が得られた。さらに、1967年からのアクロティリ発掘により、前記の前15世紀の大噴火で、古代エーゲ海のミノア文明が破滅的被害を受けたことがわかった。それを「アトランティス伝説」に結び付ける人もあるが、反証が多く、説得力は乏しい。

諏訪 彰]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android