シアン化水銀(読み)しあんかすいぎんでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シアン化水銀」の意味・わかりやすい解説

シアン化水銀(データノート)
しあんかすいぎんでーたのーと

シアン化水銀(Ⅱ)
Hg(CN)2
式量252.6
融点
沸点
比重3.996
結晶系正方
溶解度11.3g/100g(水25℃)
10.1g/100g(エタノール19.5℃)

シアン化水銀
しあんかすいぎん
mercury cyanide

水銀のシアン化物。一価水銀の塩の水溶液にシアン化物を加えるとシアン化水銀(Ⅰ)Hg2(CN)2が得られるが、これはただちに分解して二価水銀の塩となるので、一価水銀のシアン化物は得られていない。

 シアン化水銀(Ⅱ)Hg(CN)2は、酸化水銀(Ⅱ)HgOをシアン化水素水溶液に溶かし、蒸発濃縮すると得られる無色柱状晶。直線型2配位の[Hg(CN)2]分子が存在し、水、エタノール(エチルアルコール)に可溶。水溶液はほとんど電離しない。猛毒である。

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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例