防腐剤(読み)ぼうふざい

百科事典マイペディアの解説

防腐剤【ぼうふざい】

微生物の生育・活動を阻害し,物の腐敗を防ぐために用いる薬剤。食品防腐剤のほか,医薬品・化粧品防腐剤,木材・紙・繊維・塗料・皮革・ゴム製品などに用いる工業用防腐剤などがある。食品防腐剤については食品衛生法でその使用範囲,使用量が規定され,次のものが許可されている。安息香酸およびそのナトリウム塩,ソルビン酸およびそのカリウム塩,デヒドロ酢酸およびそのナトリウム塩,パラオキシ安息香酸のイソブチル・イソプロピル・エチル・ブチル・プロピルの各エステル,プロピオン酸のカルシウム塩・ナトリウム塩など。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼうふざい【防腐剤 antiseptics】

微生物の生育活動によって生じる腐敗,変質などから商品を守るために用いられる薬剤の総称。広義には,それ自身に殺菌作用のあるなしにかかわらず,結果として上記の効果を生じるものを防腐剤といい,微生物を死滅させるのを目的とする薬剤である殺菌剤を含む概念である。しかし殺菌剤は細胞毒であることから当然人体に対しても有害なはずであるので,微生物の増殖および生理活性を抑制させることを目的とする薬剤に限定して防腐剤と呼び,殺菌剤とはいちおう区別するのが狭義の用法である。

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大辞林 第三版の解説

ぼうふざい【防腐剤】

食品・薬品・繊維・木材などに添加または塗布し、微生物の活動・増殖を抑え腐敗を防ぐ薬剤。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

防腐剤
ぼうふざい

微生物の増殖によっておこる物質の腐敗を防ぐことを防腐といい、その目的で使用される薬物を防腐剤という。微生物、とくに腐敗菌の発育を抑制するか、または殺菌する作用をもつもので、殺菌消毒剤のうち、作用の弱いものが含まれ、食品や医薬品に用いる防腐剤は保存剤ともいわれる。食品には、とくに毒性の少ないことが求められ、使用できる防腐剤の種類と濃度が制限されている。医薬品では液剤、シロップ剤、軟膏(なんこう)剤、分割使用の注射剤などに配合されるほか、コーティング剤などにも入れられる。また、尿路感染症の治療に用いられる化学療法剤を尿路防腐剤とよんでいる。そのほか、木材などの保存にも防腐剤が用いられる。[幸保文治]

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